第1707話 ただの貧乏人

2026年9月29日

第60部-果てのない道-

t f B! P L
翌年にはヨーロッパでの海外
研修が入り順調に経歴を
積んでいった。

実務もそつなくこなしていた
こともあって海外研修から戻ると
上級医になり急激に忙しくなった。

守「上級医って・・・早いって」

早々に上級医になり同期よりも
早く上に上がっていた。

金は使わないので貯まってばかり。
同じ上級医に比べ生活も質素で
周りの医者に比べ軽装で見た目は
貧乏にしか見えなかった

先輩や同僚からは医者で高い給料
もらってるんだからもっといい暮らしを
しろよ。と蔑まれて言われていた。

守は そうですね。と合わせるが改善
することはなかった。

守「そんな時間無いしなぁ。
それに興味ないねんなぁ」

守は瀬戸に憧れて医者になっている。

瀬戸が歩んできた道はいい暮らしを
するためではなかったのが大きかった。

ある時患者から日本人の集まりが
あると言われ誘われた。

大手企業で勤めているドイツ赴任
の人達が集まる交流会だった。

守「どうしようかなぁ。瀬戸さんに
聞いてみるか」

瀬戸さんに直接聞きに行った。

瀬戸「あー。そういえばそういうの
あるよな。アメリカでもあったわ。
海外赴任の日本人交流会や。
言ってみても害はないと思うぞ。
楽しいかどうかは別として」

守「どうしようかな。行った方が
いいですかね?」

瀬戸「行ってみてもええかもな。
1回ぐらいは。色々気づくことも
あるかもよ。今の日本とか」

瀬戸さんの勧めもあったし
たまたま休みの日だったので
交流会に参加することにした。

翌日・・・

守「ここか・・・」

普段は着ないスーツを着て高級
そうなレストランの中に入った。

中に入ると日本人が多くいた。

年齢は様々。20代後半から
30代半ばまでが多かった。

守「ふーん。雰囲気はいいか」

ウェルカムドリンクを手にとりどんな
感じなのか様子を見ていた。

?「こんにちは。」

守「こんにちわ」

守に話しかけてきた女性がいた。

?「初めて見る顔だけど・・・
初めてですよね?会うの」

守「はい。初めて来ました」

?「名前は?私は原 佐智子です
大手企業に勤めて海外赴任してます
もう2年ドイツで生活しています」」

守「沢田 守です。えーっと。
適当にドイツで働いてます」

医者であることは伏せていた。
元々言う気は無かった。

原「どこの会社で?ドイツにきて
何年ぐらい?」

守「地元の会社です。
もうドイツきて9年ぐらいですね」

原「9年?長っ。何歳ですか?
若い感じにしか見えないんですけど。
地元の会社って転勤ではなく?」

守「27です。18で来たので。
転勤とかではないです」

原「18から?親の転勤とか?
なんかエリートですね~」

守「まさか。違いますよ」

エリートという言葉を聞いて
他の女性達も近づいてきた。

?「原さん。こちらの彼。私にも
紹介してもらえないかしら」

?「私も。初めまして」

守「あー・・・違いますので。
自分ただの貧乏人ですから」

守は面倒くさくなりその場を
後にしようとした。

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