第1550話 泣いて感謝

2025年12月8日

第53部-瀬戸の過去-

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モニカ医師が採血室へきて
順番に血液を採取していった。

イワン「先生。これで血は足りますか?
瀬戸先生は?大丈夫なんですか?」

イワンは不安そうに聞いた。

モニカ「えっと。どうなんでしょう。
看護師。説明してあげて」

看護師「わかりません。
少年は腹部から血が出て
いるので内蔵破裂かと・・・
そういったお話もしていましたから」

イワン「内蔵破裂?大丈夫なんですか?
もっと血が無いと助からないんですか?」

看護師「私では・・・わかりかねます。
すみません」

イワン「わかりました・・・
もう1回村のみんなに
言ってきて輸血をお願いしてきます」

モニカ「えっ?」

村人「イワン。なんでそこまでする?
イワンにできることはもうやったじゃないか?
これ以上言ってもみんなは聞いてくれないぞ」

イワン「みんなには感謝している。
今日献血してくれてありがとう。一緒に
村まで帰ろう」

村人「イワン・・・なんでそこまで」

イワン「言っただろう。瀬戸先生になって
この病院は変わっている。みんなは病院
に怨みがあるのは知っている。そこは否定
しない。今までを振り返るとわかるから。
でも瀬戸先生には恩がある。こんな俺を
頼ってくれた。その期待に応えたい。
瀬戸先生が言ってた事で真似てることが
あって。何事も結果はわからないけど
やれることはやっておけば悔いは減る。
何もしない。何もできない事は辛いだけ。
まずはやれることをやっていくがスタート
じゃないですか?って言われて真似た」

村人「イワンが変わったのは村のみんなも
知っている。それがきっかけだったのか?」

イワン「私には何も成し遂げる力はない。
子供には俺みたいに弱者になってほしくない。
子供達もなりたくないだろう。勉強を始めたよ
そんな俺が・・・瀬戸先生が頼ってきた時は
力になりたいとずっと思っていた。知らないだろう。
瀬戸先生はうちの息子の誕生日の時にわざわざ
家に来てくれたんだぞ。他にも予定が入っていた
みたいだったのに・・・プレゼントまでくれた」

村人「えっ?病院の先生が?」

イワン「なんのもてなしもできなかった。
妻が作ったシチューを美味しく食べてくれた。
俺らを家畜みたいに見下すこの病院の連中
なのにあの人は違ったんだ」

村人「そうだったのか・・・それでも」

イワン「村の皆は来てくれないだろうな。
それでも・・・頼んでみる。先生。少年って
いうのは多分我々みたいな貧困地域だろう?
貧困とか言いにくいとか気を使わなくていい」

看護師「・・・はい。」

来ていた6人が驚いた。
貧困街はとにかく見捨てられていたから。

村人「そんな医者がいるのか?」

イワン「だから戻る。その子の親も
祈ってるだろうから」

イワンさんが戻ろうとした時・・・
採血室にずらずら人が入ってきた。

イワン「みんな・・・なんで」

村人「あなたの奥さんと子供が来てね。
頭を下げてお願いされたの。最初は
嫌だったけどイワンがなんでそこまで
なるのか考えていた時に奥さんがきて
どうか助けてほしいって。私と息子達は
O型だから力になれず悔しくて。
何度も頼みをすることはないから
今回だけはお願いしますって」

イワン「そうか・・・ありがとう。
ありがとう」

イワンさんは泣いて感謝していた。
それを見て周りはイワンを慰める。

他人の為に動いて涙まで流すイワンを
見てイワンの必死さが皆にこの時伝わった。

来てくれない人はまだまだいたが
追加で10人来てくれていた。

モニカ「すごいねー。瀬戸医師って。
どんな奴なんだろう。ただ威張ってる
だけの准教授とは違うみたいだね」

モニカは医者として俺に興味を持った。

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