電話が鳴りスタッフが出る。
本館から俺宛への電話だった。
瀬戸「はい。代わりました。」
クラウゼ「瀬戸先生。大変だ。
入院している重要な患者が
倒れた。多分脳卒中だ。
今すぐ来てくれ」
クラウゼの様子が焦っていた。
現場はパニックのようだった。
瀬戸「あいつ馬鹿にも程がある。
俺は脳外科医じゃねぇっての」
俺は外科医であって脳は専門
ではない。研修の時に見ては
いたが技術も別なのでわかって
いない。外科医と脳外科医は
全くの別物である。
本館へ向かい看護師に教え
られた個室に入る。そこには
家族が震えながらたちすくんでいた。
色々と医療器具をつけているが
患者は意識を失っているようだった。
瀬戸「あれ?この人あれやんか。
リハビリしてなかった人やんか
家族は俺の方を見る。
家族は患者の事を話し出した。
話を聞くと以前に脳卒中で倒れ
一命をとりとめたが、リハビリなんて
しなくても自分は大丈夫だからと
いって全然やらなかったみたいだった。
瀬戸「看護師さん。脳外科医の
先生は何時に来るの?担当医を
早く来させて手術入ったほうがええ」
看護師は困った顔をして首を横に振る。
クラウゼにぼそっと急いで担当医を呼べ。
と伝えて連絡させに行かせた。
プライドが高くて他人の意見は聞かず
自分1人で頑張ってきたみたいだった。
瀬戸「なんか東洋人嫌ってましたよね。
私何回か嫌味を言われましたよ」
患者と会話し緊張をほぐそうとした。
待たせて繋ぐ役割が最適と思った。
家族「すみません。嫌な思いを
させてしまって。どちらの国なんですか?」
瀬戸「日本です」
家族「日本ですか。よかった。
日本には支社があるので知ってます」
重要な患者と言っていたのは
相当な金持ちだったからと気づいた。
瀬戸「今日みたいなことって
何回かあったんですか?」
家族「いえ。初めてです。
急に胸を押さえだして倒れたんです」
瀬戸「胸?ちょっと看護師。血液検査と
カルテの結果をすぐにもってきてくれ。
脳卒中とは違う可能性がある」
失神してるのなら急性心筋梗塞の疑いが強い。
看護師は急いで戻り血液検査の
結果を持ってきた。
瀬戸「血圧高すぎるし、糖尿病、
高尿酸血症(痛風)で肥満型。
でも血液検査ではそう問題ないな。
胸の痛みは・・・これまでないのか」
心筋梗塞ではない。狭心症を疑う。
瀬戸「看護師。すぐにニトログリセリン
を舌下に入れてみてくれ」
看護師「えっ?なんで?」
看護師は動揺している。心筋梗塞には
効果がないことをしようとしているから。
瀬戸「今は疑うな。すぐに動け」
患者は意識を少しづつ取り戻してきた。
それでも容態が悪い状況が続く。
看護師がニトログリセリンを舌下に入れ
ると1分ほどで患者は落ち着いてきた。
家族は安心し看護師や医師は驚いていた。
家族「ありがとうございました。先生」
瀬戸「家族の皆さん。私は担当医では
ないので本来皆さんに言ってはいけませんが
言います。旦那さんは異型狭心症と思います。
脳卒中でも倒れたとなると狭心症を早めに
治しておく必要があります。心筋梗塞では
ないので一刻を争う状況ではありませんが
合併症を煩えばもう長くはないでしょう」
家族は不安になっていた。担当医で
無い者がこのような事を言ってはいけない。
本来なら・・・
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