第1525話 Assistenz professor

2025年11月3日

第53部-瀬戸の過去-

t f B! P L
スタッフ「瀬戸医師が来て
いきなり色々と仕事が増えて
最初は嫌でしたけど・・・
それ以上に1人で色々と
やってたの知りましたから。
これまでそんな医師いませんでした。
どうせ助からない命だからといって
抗おうとも準備も何もしてませんでした。
瀬戸医師だからやろうと思ってました」

瀬戸「そういえば・・・そうやったな。
皆最初は死んでたようにやってたな」

スタッフ「瀬戸医師がいなくなったら
ここは終わりです。前みたいに戻ります」

瀬戸「そうか。よくわかった。
ここからの異動だったら断っておく。安心しろ」

スタッフの意識が自覚して変わっているのを
見て安心した。

それから数日後・・・
指定された日時の協議会に出席した。

前みたいに全上位医長が集まっていた。
俺は指定された座る場所に座った。

座ると全員から拍手が起きていた。

瀬戸「・・・ん?なんですかこれ」

院長「おめでとう。Mr.瀬戸。
君をこれからAssistenz professor
(准教授)とする事が認定された」

瀬戸「・・・ん?なんで?」

わかりやすく日本で言えば
上位医長→講師
Assistenz professor→准教授

講師は40代以上。
准教授は50代以上がなる。

院長「喜ばないのかい?」

瀬戸「喜ぶも何も・・・
なんでそうなってるのかわからない」

院長「簡単だよ。君が優れているから。
君より医学を勉強している者はいない。
君はオリエンタル(東洋医学)も
知っている。どうすればそれほどの知識と
経験値をストイックに積めるのか」

瀬戸「そうですか。でも辞退します」

周りがざわつく。

院長「なぜだい?名誉な事だよ?」

瀬戸「他の人は面白くないでしょう。
私がそんな地位につくことを。私も
欲していないですから」

トーマス「やはり私の言った通りでしょう。
Mr.瀬戸は断ると思ってました。」

トーマス医師が話をしだした。

院長「なぜ断ると?」

トーマス「彼は名誉の為に医療に携わって
いる訳ではないからです。それは院長も
ご存じでしょう。」

院長「当然。知っている」

トーマス「Mr.瀬戸。君が名誉を欲して
いないからこそ准教授になるべきなんだ。
君には人がついてくる。指導医としても
活躍するべきだ。君が准教授になる事で
面白くない人も確かにいるだろう。
上位医長でさえまだなれていないのだから。
そういう人は君ぐらい結果を出すべきだ。
でもできないだろう。彼らは普通に優秀な
医者であり、支配されているのだから」

言うことを聞いて言われた事ができる医師は
優秀。しかし判断は自分の判断でさせて
もらえないので黙って従う人が多いという事を
言っていた。これはどこの国でもそう。

院長「Mr,瀬戸。君は天才だと思う。
私としては君を他の病院にとられたくない。
この病院にいたいと思ってほしいというのが
実直な思いだ。君はどうなんだ?」

瀬戸「高く買ってくれてるのはありがたい。
だけど俺は日本人だ。ドイツ人じゃあない。
ドイツで医師になろうとしている者がなるべき
であり、そこに夢を与えてやるべきだ」

院長「ふむ。トーマス医師。あなたの
言う通りだった。ではこれを見てほしい」

院長はスクリーンに数枚の紙を映し出した。


院長「これがなにかわかるかね?」

瀬戸「・・・確か同期の奴らの名前」

院長「そう。彼らに聞いてみた。
君が准教授になる事をどう思ってるか。
その結果が・・・これだ」

それは多くのアンケート用紙だった。

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