アラン「それでも僕は」
アラン君には届かない。
小学生の感覚は違っていた。
守「アラン。その司も
中学生の時に今のアラン
と同じような感じやった。
ちょっと強くなって勘違い
して誰かを助けようとした
仮に誰もいない所で助けた
としても他の誰かがまた
同じようにいじめてるやろう
その度に助けるのか?」
アラン「・・・助けれたら
助けます」
守「暴力で?」
アラン「・・・そうなります」
守「やめさせるのは高校生の
兄を倒すことになるよな?
ってことは勝ったとして
相手に恥を欠かせる事になる。
そういう恥をかかした高校生は
どんな仕返しをするだろう?
そしてイジメは終わるのだろうか?」
アラン「・・・」
守「誰一人助けれなくて仕返しを
味わうだけじゃないのだろうか?」
アラン「そう・・・かもです」
守「な。そうなるんだよ。
アランは考え方を変えないと」
アラン「どうするべきですか?」
守「いじめられてるそいつが
強くならないといけない。
強くなる気がないならそこまで。
せめていじめられなくなるまでは
空手でも習えばいいんやけどな。
そこまでアランが変えるのが
アランの仕事やな」
司「そうそう。そういうこと」
アラン「確かにそうですが・・・
そんな簡単にいきますか?」
守「人を変えるのは簡単じゃない。
だからアランがそいつにそこまで
時間と労力をかけれるかどうかや。
それに断ったらそこまで。
そいつとは縁が無かっただけや」
司「割り切るのも大事」
アラン「2人は僕の立場なら
そうしていますか?」
守「なんもしない」
司「大事な友人だったらね。
どうでもよかったらなんもしない」
アラン「そうなんですか・・・
でもなぜなんもしないのですか?」
司「結局自分の力でなんとか
しないといけない部分ってあるでしょ?
そこで助けてもらうって考え方しか
できなくなるきっかけになっちゃうから」
守「いじめられるのが嫌になったら
変わりたい奴はなんか習い出すって」
アランはそうやって話をしている
司と守の姿を見てかっこよく思えた。
奇麗事を言わないその姿に・・・
守「まぁでも。人助けに使わないの
なら最低限の喧嘩は教えてやってもいいかな」
アラン「教えて下さい。使いません」
守「じゃあどんな時に使う?」
アラン「えーと。喧嘩する時」
守「うーん。まぁいいや。
俺から条件つけるわ。どうしても
倒したい同年代がおる時とか絡まれたり
喧嘩売ってくる奴がいた時だけな」
司「だいたいそうやん。
でも・・・伝わってるみたいやね」
喧嘩する時なんて絡まれたり
する時がほとんどなのに。
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