第1496話 進路指導

2025年9月23日

第51部-早期進路指導-

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司「じゃあ父さんも別に
行きたい訳で行ったんじゃ
なかったんやね」

父「そうそう。みんな
行きたくて行ってないと思う」

司「卒業した後って就職とか
はやっぱり違ったん?」

父「俺は就活してないねん。
昼働きながらでそのままずっと
やってきてるだけやから」

司「えっ?遊びとかは?」

父「なかったな。19からは
昼はわからん事が多い状態で
働いて夜はバリバリ勉強の人生。

ただ就活は4年の時にみんな
いい会社狙って争ってた。

俺はそこに参加はしてない。
だから詳しい事はわからへん。

でもそれなりに求人来てたぞ。
今はどうかは知らへんけど」

司「そうなんや・・・」

父「・・・大学には行きたく
ないんか?司は」

司「わかんない・・・でも
行かなくてもいいのなら行き
たくはない。行かなくてもいい
理由があればと思って・・・」

父「なんでや?
行けばいいと思うぞ。
司は成績もいいし。
俺は行く者やと
思ってるんやけど?」

司「でもなー。僕は高校出たら
働こうと思っててさー。家も出て
どっかで地味に生活していこうとか
考えてるよ。父さんにここまで
育ててもらった感謝をもって」

父「そんな理由で働くなよ(笑)
技術系に進みたいとかそんなん
とかかと思ったわ(笑)」

司「父さんはさー。僕は・・・
まだ何がやりたいとか決まって
ないけど大学行って卒業する
べきだと思う?
甘えていいのかな?」

父「やりたい事があってもなくても
大学は卒業するべきや。野田が言って
た通りでそこは一緒や。夜間でもいい。

俺の場合は昼には行けない理由が
あったから夜間なだけ。でも司は
背負うもんがないんやから昼間の
大学行ってきっちり現役で卒業を
すればいい。それは甘えじゃない」

司「ありがとう。父さん」

父「あぁ。もし司が将来結婚して
子供ができた時同じ悩み持った時
今悩んだ経験が活きてくるからな」

父さんはそう言って部屋から出た。
そして僕は大学に行く事を決めた。

翌日学校で守君と話した。

司「僕は・・・行く事にしたよ」

守「そうか。よかったな」

司「守君は?」

守「まだわかんねー。憲吾も
言ってた通り早く現場に出た方が
いいと思う部分もあるしな。
もうちょっとちゃんと考えたい」

守君も行った方がいいのはわかってる。
だけど現場に出て作業する技術職ならば
と感じる部分を経験していたから。

それに守君は頭がいい。
守君はちゃんと自分の事を考えていた。

先生が早くに教えてくれたのは
悩む人がいるからその時になって初めて
悩ませるような状態ではなくて悩む人は
時間をかけて悩めばいいという事だった
んだろう。

今答えを出す必要はない。
だけど答えを出す時期は必ず来るから。

そして短い3学期もあっという間に
終わり僕達は春休みに入っていった。

第51部-早期進路指導- 完

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