理子「でもそれは司が
あたしを守ろうと思って」
野田「うん。俺もそう思う。
だけど守の答えは違ったでしょ?
喧嘩させたって聞いたけど」
理子「喧嘩させたっていうか
はい・・・そうですね」
野田「なんで喧嘩させたと思う?
そりゃ喧嘩で解決しようとする
なんていい事ではないけど」
理子「わかりません」
野田「相手がヤンキーだから」
理子「えっ?」
野田「相手がヤンキーだったから。
だから守はそういう答えを出した」
理子「どういうことですか?」
野田「まぁなんつーか。
守のとこの家庭もちょっと違うから
そういう教育なってるけど確かに
それが正しいかはわかんないから
あんま説明したくはないけど。
ヤンキーはツッぱってるし
喧嘩してもいちいち
警察なんか行かないからね。
それに殴り合ってわかるとこも
あるしプライドも高いもんやから」
理子「だから喧嘩ですか?
勝ったからよかったもんですよ」
野田「勝っても負けても
同じ事は起こってなかったと思うよ
だって面倒くさいやん。
殴られるって痛いんだよ?
喧嘩してくる奴をパシリするより
他の人をパシリにすると思うよ」
理子「それじゃあ何も解決
しないじゃないですか」
野田「解決したんでしょ?
守がそうさせたんやから。
少なくとも2人のことは」
理子「でも他の人に・・・」
野田「正義じゃないからね。
ただ司と理子ちゃんは守がその場
で終わらせてくれたから終了。
上手に収めてると思うよ?」
理子「そうですけど・・・
原因は消えないじゃないですか。
他にいじめられる人がおるって
いう事は何も変わらない」
野田「話が脱線しちゃうけど
先にそこの説明しておこうか。
じゃあ今の理子ちゃんからすると
どう行動してたらよかったと思う?」
理子「・・・親に言うぐらい」
野田「それはみんな考えれると思う。
ただ守の出した答えに対して否定を
してるんだからそこが知りたい。
守の選択以外にその場はどう
納めれてたと思う?」
理子「話し合いとか・・・」
野田「話しが通じそうな相手やったの?
俺が聞いたんとは違うなー。
確かに話が通じそうな相手
だったら守の答えは間違ってるねー」
理子「あっ・・・」
理子が下を向いた。
話が通じる相手ではなかったから。
だから守がなんで喧嘩で成敗したのか
理子の頭の中で繋がっていった。
ひとつの行動の中にお互いにとっての
歩み寄りの部分があって大きな問題に
ならないようにその場で納めてた。
それが理子の頭の中に少し見えた。
野田「守は頭いいからな。
判断も他の人と出す答えとは違ってた。
だけどそういうこと。どの判断で
どう納めるかっていう問題に対する
解決の出し方が大きく違う。
このふたつが大学行って卒業する理由。
他の理由はおまけでついてくるもんや」
理子「でも・・・なんか・・・
納得ができません」
野田「そだなー。それぐらいだけで
4年無駄にする気もしちゃうかー」
もっとメリットや大きな違いがあるから
大学に行くと理子は思っていた。
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