第1480話 大事な時

2025年9月1日

第51部-早期進路指導-

t f B! P L
それは冬休みの前・・・
父さんと理子の話をしていた。

司「それで今年のクリスマスは
どうしようか悩んでいて」

父「ふーん。プレゼントを
上げてたらええんちゃう?」

司「そうなんやけどね。
なんか毎年一緒って感じで」

父「ちょっと変えたいのか?」

司「うん。そんな感じ。
なんかええ案ないかなぁ?」

父「非日常にしたらええねん。
お金かかるけど思い出なるぞ?」

司「非日常?」

父「せっかくバイトしてるねん。
一回思いっきり使ったらええねん

スマートに女の子扱ってみたら
ええねん。女の子をお嬢様的に」

司「どうすんの?わからへんよ」

父「それもそっか。勉強やな。
安くないお店を予約して理子ちゃんと
一流の物でも食べてきたらええ。
高校生はそれだけで十分」

司「でも僕ら未成年やけど
それでもいけんのかな?」

父「あっ。無理やな。悪い。
じゃあ俺の名前で予約したるけど」

司「それじゃあ意味ないよ。
自分でやれんかったらさー」

父「じゃあ話しできるとこ
押えておくからそっから選び。
卓に話ししておくから」

司「卓叔父さんに?ええ~。
迷惑かからへんかなぁ?」

父「かからへんかからへん。
そういう行動には協力的や。
ただし酒はさすがにあかんぞ」

司「わかってます。じゃあ・・
ちょっとダメ元でやってみるよ」

それからメニューを調べたりして
自分で予約して予約ができた。
ちゃんと高校生とも伝えた。

そして今に至る。

自動ドアが開いて中に入ると
エスコートの人が迎えてくれた。

司「あの・・・予約している
宮根です」

??「はい。宮根様ですね。
ではこちらへどうぞ」

理子「うわぁ。緊張する」

高校生が来るとしては
明らかに場違いな店だった。

飲み物は2人共お茶をいただき
コース料理を食べながら話す。

理子「すごくない?なんか。
お金けっこうするんじゃない?」

司「1人1万5000円コース。
2人で3万円」

理子「高いって。ひくわ」

司「僕が出すから。安心して」

理子「いや。そうじゃなくって」

司「あれ?嫌なの?」

理子「嫌っていうか・・・
慣れないし緊張するっていうか」

司「うん。緊張するね。
ただ・・・喜んでもらえると
思って予約したんだけどね。
失敗だったかな」

理子「クリスマスやから
あたしは司と一緒に過ごせたら
別にそれでよかったし。そんな
頑張ってもらわなくてもいい」

司「頑張るよ。僕は理子との
思い出を作っておきたいもん。
適当に付き合ってるとかやだ」

理子「それはあたしも一緒。
でもお互いバイトあるしなかなか
こうやってゆっくり・・・」

理子は何かに気がついた。

理子「そっか・・・そうやね。
こうやって一緒に外で過ごすの
って久しぶりやもんね」

司「うん。だから特別な場所で
特別に過ごしたかった訳。

失敗したみたいだったけどね。
それも時間が過ぎれば思い出に
残ってるよ。そんな思い出は
理子とじゃないと作れない」

男女はよくすれ違う。

大事な時の認識の違いはよく
すれ違ってしまう。

このブログを検索

ページビューの合計

Translate

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

QooQ