第1440話 勝負所

2025年7月7日

第49部-強制的バレー 大会編-

t f B! P L
サーブは僕らからだった。

司「魂輝君。しかけていいよ」

魂輝「いいですか?じゃあ・・」

僕らはサーブミスは避けてる。
なので相手コートに
入れるだけでいい。

特に最初に限って勝負はかけない
のでタブーだけど相手の隙を
ここは相手チームにペースを与え
ない為にもこっちも仕掛ける
必要があった。

魂輝君が集中してサーブを打つ。

魂輝「いきますっ」

ボンッ・・・

回転の無いサーブを打った。
球は山なりに相手コートへ入る。

相手レシーブが落下店を予測
できず飛び込んで球を拾った。

司「あかんかー。拾うとはなぁ。
せっかくリスクとったのに」

失敗するリスクをとったので
サービスエースとれればと
思ったがさすがに甘かった。

ただうまくトスも上がらずに
中途半端にこっちへ返してきた。

そして予定通り増山さんと僕は
Aクイックで上がってきた球を
鋭角に対角に打った。

そこにブロックはいなかった。
僕のアタックもさほど威力はない

トンッ・・・

球は誰もいないとこへ落ちた。
舞子エバンスはポカーンとしてた。

司「よっしゃあ。まずは1点~」

そしていちゃもんをつけてくる。

7番「ちょっと待てや。お前
セッターとちゃうんか?」

司「えっ?違うけど」

4番「だってさっきまでトス
してたやんか」

司「増山さんいなかったから。
代わりにしてただけですけど」

そう。僕はセッターだと
思われていた。

セッターだと思われてたから
ブロックも僕にはつかずに
ライトへ3枚ついていた。

1セット目で僕らのやり方を
あまり見せずにとれた時点で
僕らはかなり有利なんだけど
1セット目が僕らの全力と
思ってくれてたからできてる

「実力は見せずに勝つ事が
できるのならばなるべく見せず
に勝つ」という事は勝ち抜き戦
では重要だったから。

5番「これや。こういう所が
こいつらのチームにはある。

無茶苦茶な事やってるねん」

僕らの目的は「勝つ事」
勝つ事だけに集中していた。

だから試合運びによって
状況を判断するし勝負所なら
多少のリスクをとって大きい
リターンを得る選択をしてる。

そうやって勝負を制してる。

舞子エバンスは1セット目が
終わった後の時に13点しか
取れなかった理由を考えて
2セット目に挑む必要があった。

結局この2セット目も同じように
真正面からぶつかるだけしか
できないのだから僕らは相手に
とって全力を出させないように
嫌なやり方をするだけだった。

しかし真正面からぶつけられて
僕らは避けきれる訳もなく
やっぱり弱かったので点の
取り合いで2セット目も進み

23対21という接戦になってた

守「後2点か・・・」

司「しつこいなー。相手。
もう崩れてるくせに」

4番「ハア・・・ハア・・・
後4点。絶対とるよーーー」

舞子エバンスは諦めてなかった。

その諦めない姿勢を断ち切れる
ほどの実力は僕らになかったから

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