第1428話　勝利の味

司「いくよー。・・・ていっ」

僕が普通にサーブを打ち
相手がレシーブで返しセッターが
トスを上げる。

相手のセッターが半ば諦めていて
迷っているのはもう見えていた。

多田さんと木塚さんのブロック
で行くが止められない。

守君がレシーブで拾う。

司「行くよ。桐谷さん」

僕は桐谷さんへオープンで上げる。

桐谷さんがアタックをするが相手の
ブロックが２枚ついて止められる。

止められた球を多田さんが拾った。
そしてまた僕がトスを上げる。

司「もっかい。行くよっ」

僕は桐谷さんへオープンで上げる

読まれていて２枚でブロックされる
またもや多田さんが球を拾う。

僕はまたトスを上げる。

司「今度こそ決めて。桐谷さんっ」

相手「くるっ・・・えっ？」

トスを上げる時・・・僕はバックトスで
後ろへ上げた。

そこへ・・・さっき球を拾った多田さんが
拾った後に僕の後ろへ走りこんでいた。

フリーで多田さんがアタックする。
誰もいない所へ打ち点が入った。

守「ちゃんと動けたやん。よかったわ」

魂輝「動いてなかったら守が動かないと
いけなかったですよ」

守「そうやねんなー。危なかった」

２度同じ攻撃の後はレシーブした人が
セッターの後ろへ回り込みＣクイックで
打つと決めていた。

パターン化はしないんだけど
練習試合で相手にやられた攻撃で
使える攻撃パターンだったので真似た。

それにママさん達にはパターン化の方が
実行しやすいみたいなのでそうした。

少ないパターン化で読んでくれれば
それはそれで違う攻撃にも使えるので
別に僕達はどっちでもよかったから。

合図無しでやってた為、多田さんが
動いてくれなければ自爆点になってた。

守君は動かなければフォローとして
動く気でなければ代わりに動こうとしてた

多田「やったぁ。決まったぁ。
もしかしてあたしら勝ったぁ？」

桐谷「うそっ？本当に勝ったん？」

守「あー。しんどかった」

司「とりあえずひとつクリアか」

魂輝「思ったよりも簡単でしたね」

整列をして挨拶をする。
そして僕らはベンチへ戻った。

多田「うっ。ううっ」

木塚「ちょっと～。泣かんとってよ
あたしまで泣いてしまうやんかぁ」

桐谷「ほんと。あ～。もう」

みんな嬉しくて泣いていた。
やっと勝利の味を知ったから・・・

しょうがないな。って思った。