第1405話 強さとは

2025年5月19日

第48部-強制的バレー 大会前編-

t f B! P L
全員の表情が変わっていた。
僕は話を続けた。

司「勝つっていうことは・・
相手が弱ければ弱いほど
簡単で相手が強ければ
強いほど難しくなります。

その理由はわかりますか?」

増山「・・・弱いから?」

司「その答えは違います。
なぜ弱いと簡単なんでしょう?」

多田「単純だから?」

司「それは2次の答えですね。
まず弱いと戦いのレベルが
圧倒的に低いからです。

強ければ強いほどたくさんの
経験と接戦と正念場を迎えます

そうやって経験して至ってくると
強さってのが手に入ってきます。

そういう強さっていうのは勝負所
や渡してはいけない流れの場面。

ポイントとなる点は譲りません。
そういう部分が高いから難しい」

桐谷「違うんじゃない?」

司「違いません。どうします?
ここで話を止めて終わります?」

わからないのならいい・・・
ここで止めるのならこれ以上の
話をしても無駄だ。

僕はもう見限ろうとしてた。

多田「桐谷さん。今は黙ってて。
今は聞こう。あたしは聞きたい」

増山「あたしも。今は聞きたい」

聞く態度になってるのが2人いた。
だから僕は話を続けた。

司「強さっていうのは勝つ事で
手に入ってくるもんなんです。

負けて悔しくて次で勝つ。
負けても次で勝つ事で強くなる。

上手くなるから強いにはならない。
勝つっていうことは簡単じゃない

でもこのチームはそこがわからず
負け続けて逃げようとしている。

勝つ事しか考えてない僕らを否定
してその上で試合辞退なんて・・

それが大人のすることですか?」

多田「それは・・・無理やり
やりたくないことさせてると思って。
司君とか忙しそうやし」

司「忙しい中やるしかないですから。
けど僕らが忙しいを理由にしました?

忙しいを理由にやらないっていう事を
僕らの周りは認めてくれませんので」

道場のみんなは認めてくれない。
そういう環境の中に僕らはいるから。

また少し沈黙が起きていた・・・
全員黙って聞いていた。

多田「ねぇ・・・みんな。
今回は司君達の言う通りに
やってみない?」

増山「・・・そうやね。
それがいいかもね。今回ぐらい」

桐谷「なんだかんだで・・・
あたしら負けてばっかやし」

司「勝てるかどうかの・・・
保証はできませんよ?僕らは
バレー技術が低いですから」

多田「うん。いい。この大会は
司君達に任せるよ。負けても
このままやっても負けるやろし」

僕は大事なポイントを掴めた。
遅くはなったが僕らはここからだ

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