魂輝「あ~。驚きましたぁ。
アドレナリン出てきました」真一「そうそう。それでいい
スポーツっていう喧嘩やな」
真一さんは守君にしてたように
自分の周りにボールを浮かせて
投げていた。
魂輝君の反応が異常に早い。
ボールを投げる仕草の途中で
もう動き出していた。
光男「すごいなー。あの子。
まだまだ余裕ありそうやん」
魂輝君に必死さはない。
ただほとんど追いついていた
ボールはうまくあがらないが
落とすことはほぼなかった。
真一「はい。終了。次最後」
司「お願いします」
僕も反応を取る為に構えない
真一さんの全体を見ていた。
真一「うん。いい集中力や。
じゃあはい。スタート~」
真一さんは自分の真横に
ボールをふわっと投げた。
司「遠いっ・・・でもっ」
思っていたよりも遠いけど
追いつけない位置ではない。
ギリギリのところで触るが
ボールは上がらなかった。
真一「そうそう。それでいい
ボール見過ぎなければ取れてる」
司「ぐっ・・・」
20球ほど投げられていたが
15球ほどなんとか触れた。
球は上に上がらなかったけど。
真一「じゃあこれで一旦終了。
レシーブの目的わかったかぁ?」
守「・・・」
司「・・・えっ?」
魂輝「セッターに返す。では
ないんですか?」
ママさん達からそう教えられた
真一「セッターに返せたらより
いいだけでそれが目的じゃない。
えっと守やっけ?ずっと見ていて
なんか気づいた?」
守「球を・・・落とさない」
真一「そうそう。正解。
レシーブの目的は球を落とさない
っていうことやねん」
それは先生も言っていた。
だけど・・・どうして?
真一「上手い下手の差はある。
でもレシーブが上手くてセッター
に返せるやつよりも下手くそでも
ボールを拾えるやつの方が必要や」
司「なんでなんですか?」
真一「点を与えない。それに流れ
も持っていけない。更にブロックで
止めるチャンスまで持ってける」
光男「セッターに返すってのは
上手いやつら同士での会話や。
下手くそはそこに拘る必要ない」
自分達を弱者と認めた戦い方。
僕達はその部分を忘れていた。
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