第1356話 チーム自体

2025年3月10日

第45部-強制的バレー

t f B! P L
父さんが風呂から出てきた。
ビールを用意してあげて僕は
缶チューハイでつきあった。

京美はジュースで席につく。

父「司。野田から聞いたん
やけどバレーなったんか?」

司「そうそう。くじ引きなしで
バレーになってん」

父「多田さんとこのバレーを
手伝わせるって聞いたけど」

司「そうそう。守君もね。
そういえば父さんと多田さんは
どういう知り合いなん?」

父「大学の時の同級生や。
俺と同じで夜間で苦学生や」

司「へ~。そうやったんや。
大学の同級生やったんや」

父「あいつは大学卒業して
銀行に就職できてそこで旦那
と知り合って結婚して主婦に
なったんやったかなぁ。
詳しくは覚えてへんけど」

司「主婦やのになんでバレー
をしてるんやろ?」

父「さぁ?知らんけど。
ちょっとしたセレブやから
暇なんちゃうか?」

司「そっか~」

父「まぁ。勝たせたってくれ
一生懸命してるみたいやし」

司「勝たせてくれって?
母さんにも言われたんやけど」

父「あれ?聞いてないんか?」

司「助っ人としか聞いてない」

父「勝ったことないねんてよ。
今までやって1回も」

司「えっ?そうなん?」

さすがにこれは驚いた。
父さんは話を続けた。

父「頑張っても頑張っても
試合に勝てなくて大差で負ける。

だんだんと惨めになってしまって
恥ずかしくて辞めていく。

4人でやっても試合できへんし
このままじゃ他の人も辞めて
チーム自体なくなってしまう。

って悩んでたからなー」

司「それで・・・僕らに?」

父「秋のスポーツあるから
それで入れてくれって野田に
言っておいたんやけどな~。

まさか司らがやるとは・・」

司「勝ったことないんかー。
それは・・そういうことかぁ」

今度の市民大会で・・・
勝って宣伝する目的がある。

父「あいつらだけやったら
勝てないから。頼むわ」

司「・・・足引っ張らない
だけやと思ってたのに・・
はぁ・・・責任感じるわ」

チームとして勝たせる。
初心者の僕らが・・・

それが僕らの役目と知った

桁成達がきついと言ってた
のはこういうとこだった。

それは僕らだけじゃない。

洋平にしても他の者にしても
みんなそれぞれ重圧がある。

そういう重圧を背負った上で
得意分野以外で勝負をする。

不利な状況でも勝て。
という事を何も言わず経験を
させられてる事に気づいた。

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