野田「どうした?暗いぞ」
司「先生・・・僕ら・・・
全然よくなかった・・・」
野田「急にどうした?」
司「もっと・・売り上げを
意識するべきやった・・」
野田「なにが?もう終わった
事をぶりかえしてどうする?」
司「今日見てて・・・思った。
あんなちっこい子達にあんなに
喜んでもらえるなんて・・・」
野田「ガキやからそうやろ。
あの年代はなんでも喜ぶぞ」
司「そうじゃなくて・・・
小遣いだしてでももうちょっと
なんかしてあげたかった」
守「俺も・・・」
みんなが同意見だった。
年の離れた後輩が無邪気にも
努力をしていたのだから。
野田「おいおい。みんなの
小遣いだしてまでガキ共に
なんかしたる必要はない」
守「俺らがもっと利益あれば
もっとなんかしてやれてたし
去年やってもらったレベルと
同じぐらいしたりたい。
売り上げ低かったのは・・・
俺らの責任やねんから・・」
司「うん。僕も同意見」
去年の利益に足らない分は
僕らが出してもいいと思った
野田「気持ちだけもらっとく
そこまでする必要はないわ」
守「なんでですか?」
野田「年の離れた先輩らが
頑張って得た結果でなにかを
してもらった。でええねん。
お金でなんかしてやるってのは
親やじいちゃんばあちゃんの役目や
あの年代っていうのはだいたい
親がなんかやってくれるもんで
他人がやってくれるって経験は
そうできるもんやないねん。
利益が去年より少なくても
ガキ共はいちいち気づかんよ。
今年も先輩らが頑張ってくれた
それでジュースを買ってもらえた
なにかはわからないけど
先輩らが頑張ってくれたから
こうやってジュースもらえた。
それに対してありがとうって
いう感謝を伝える事を表現する。
まぁお金の問題やないねん。
年の離れた先輩らがガキ達に
残せる部分は金やない部分や」
だからこそ・・・僕達は・・・
後悔してしまっていた・・・
野田「納得いかんか?」
司「はい・・・できません」
野田「そうか。それやったら
来年また頑張ればいいぞ」
司「・・・えっ?」
野田「来年は屋台だけやけど
そこではりきればええねん。
まっ。今年の屋台は去年に
比べて売り上げ低かったし。
去年海の家でええ結果でたから
今年準1期生頑張ってへん」
守「あっ。そうやったん?」
野田「そうそう。だいたい
どっちかになんねんなー。
おととしは準2期生みたいに
海の家が悪かって翌年の屋台を
頑張って売り上げててん」
司「あっ。そうなんや~」
僕らはおととしの先輩らと
同じ結果に近いらしい。
来年挽回できる場があると
知り来年頑張ってもっといい
結果を作ると心に誓った。
年の離れた先輩ができるのは
お金をだすことじゃない。
得た結果で何かをしてあげる
高校2年の夏にそういう事を
学び経験し成長ができた。
夏休みの残りはバイトに励み
理子とデートをしたり過ごした
そして夏休みが終わる2日前
僕達は道場にまた集められた
まさか・・自分がスポーツを
するなんて思ってもなかった
第44部-海と屋台- 完
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