第1161話　慣らし運転

守「ちょっと代わって。
一回運転したるから」

竹内「うん。お願い」

守「えーっと。まだ全然
距離も走ってないやん」

司「1000km行ってない？
何kmぐらい走ってる？」

守「200kmや。あかんわ」

司「危ないね。それ。
まだ慣らし運転やんか」

竹内「えっ？なんで？
なんでまだ危ないん？」

司「1000km超えるまでは
タイヤもめくれてへんし
完全に安定せんやんか」

竹内「へー。そうなん？
新車やから大丈夫やと」

守「違うわ。新車やから
無茶させたらええって
もんとちゃうねんや」

竹内「そうなんや・・・
２人共やっぱ詳しいな」

守「・・・っと。じゃあ
ちょっと走ってくるわ」

クラッチの位置を確認し
守君は走り出した。

カチッ・・・カチッ・・

すぐに３速まで上げて
一気に走り出していた。

竹内「うわっ。すごい。
流れに乗れてるやんか」

司「普通やんか・・・」

守「うわっ。なにコレ？
全然スピード上がらんし
４速までしかないんけ」

馬力のないことで守君は
かなりつまらなかった。

カーブでは一気に倒して
曲がって走って行った。

竹内「すごい。あんなに
曲がって怖くないん？」

司「怖そうに曲がってた
感じなかったやんか」

感覚がかなり違っていた
まぁしょうがないのだが

少しして守君が戻ってきた

司「お疲れ～」

守「おう。これ馬力がない
から全然おもろないわ」

竹内「沢田君。さっきの
カーブの時やけどさぁ～」

守「あぁ・・・」

守君は説明をしだした。

スピードが出てない時は
リーンアウトで曲がる。

スピードが出ていたら
リーんウィズで曲がる。

距離が短い時にスピード
が出てたらリーンイン。

この基本を教えてた。
後は空気圧のことや車間
距離の取り方を教えてた

守「・・・そんなとこや
後は乗ってたらわかる」

竹内「難しいもんやなぁ
ブレーキングとか考えた
ことなかったなぁ」

守「ブレーキングが安全
運転のポイントやからな

無視したら簡単に事故る
せやから距離とブレーキ
は把握しとかなあかん」

竹内「そんなん考えんと
乗ってると思ってた」

司「考えてはないかな。
もう感覚なってるしね」

守「そうそう」

みんな最初は初心者だ。
この言葉が深く理解できた