野田「誤認識すればいい
そうすれば楽になるぞ」
守「誤認識・・・?」
清人「人に言うような話
ではないねんけどな」
守「どういうこと?」
野田「んー。まぁあれや
料理を見て美味しいかも
しれんけどその中に毒が
入ってたら食うか?」
守「食わへんけど・・」
野田「それはなんで?」
守「しんどいから」
野田「それ。その考え」
守「えっ・・・?」
野田「毒が入ってようが
なかろうが食べたら症状
が長引くと思い込むねん
そうしたらな。目の前に
出されても飛びつかん」
司「入ってたら・・・
わかるけど。入ってない
のが現実やないの?」
野田「だから誤認識や。
こいつら毒入ってるのを
嬉しそうに食ってるわぁ
って思ってればいい」
司「入ってないのに?」
野田「入ってないのにや
それが目の前の誘惑に
対しての制止力になる」
守「なるほど。そうか」
守君は考えをまとめてた
僕にはまだわからない。
司「入ってないってのが
わかっててそう考えても
できんと思うけどなぁ」
僕の答えが一般的な答え
だと思うけど・・・
父「司。教えてやるわ。
豪華な料理っていうのは
危ない意味が含まれてる
豪華な料理っていうのは
策略でも謀略でも有効で
なんにでも使えるねん。
人っていうのは簡単でな
豪華な料理を出されると
無防備に甘えてしまう。
ビジネスでは接待がそう
政治やったら会食がそう
接待の見返りに高額な
取引を要求してくんねん
接待を受けた側はなぜか
断わりにくすぎて断わる
ことができんくなる。
そういうつもりじゃあ
なくてもそういう場での
商談でされることもある
使う側と使われる側では
使う側が最も有効なんや
豪華な料理を目の前に
してもまず考えるねん」
司「そういう接待とか
よくわかんないし・・」
大人の世界は難しい。
高校生の僕には想像も
いまいちつかなかった。
父「簡単に例えてやる。
司と理子ちゃんが喧嘩を
してしまったとしよう。
理子ちゃんが浮気をして
それが原因で喧嘩になる
司はどうしても許せない
理子ちゃんは司の機嫌を
取る為に普段のデートで
はいけないような豪華な
食事を奢ろうと思って
高い店を予約した。
そんで一緒に行った。
ここが分かれ道になる。
ここで司は食べるか?」
司「うーん。食べる」
理子が浮気って例えは
けっこうきついけど・・
絶対にないとは言えない
ので黙って設定に従った
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