彩「違うんですか?」
守「武を演じてるってのは
見せているだけなんで」
彩「見せるものじゃ・・・
ないんですか?」
守「演武は別名を表演って
言うんですけどそれは全て
決められてるものでして
全員同じ動きをするんです
同じ間で同じ動きをする。
それは魅了しますけどね。
うちはみんなバラバラです
舞って言葉わかりますか?
舞は間と間のあいだにある
生み字で踊ると言われます
それが本決まりの間に入る
ということなんですけど」
彩「ごめんなさい・・・
難しくてわかりません」
守「一言で言うと同じ型を
するとなっても決まった間
や常間ではやらないんです
みんなそれぞれ状況が違い
行ってるので一緒の動きに
なることはないんです。
基本に忠実にやったり動作
を遅くしたり早くしたり。
力を抜く部分と入れる部分
を見つけて無駄を減らして
次の技に繋げたりします。
たかが型なんですけどね。
考えさせられるんですよ」
彩「考えさせられる・・」
守「ちょっと難しい話に
なりましたけどすいません
普段はここまでは言わない
ですが調子にのりました」
相手がわかっていない場合
はこれ以上は言わない。
言う必要がないからだ。
彩「あの・・・なんで
そんなに知ってるんですか
私は日本舞踊でそこまで
教えてもらってなくて」
守「捉え方の違いでしょう
俺は小さい頃からずっと
武は全ての学問に通じる
って教えられてますから」
彩「全ての学問に?」
守「駆け引きでは国語。
策や略の計算では数学。
物理的な衝撃では科学。
敵の情勢を知る為に社会。
多数の味方を作る為に英語
他にもいっぱいありますが
わかりやすいとこはこれ」
彩「すごい・・・」
彩は守の基礎に気づいた。
表に見せない分気になる。
守「じゃあそろそろ俺も
仕事に戻りますんで」
彩「あの・・・」
守「はい?」
彩「あの・・・その・・」
守「時間がないんで」
もう4時になっていた。
さすがにもう戻らないと
やばい時間になっていた。
彩「また会いたいですっ」
守「はっ?」
一瞬沈黙が走っていた。
この微妙な発言に・・・
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