守「そんで相談って?
俺芦屋に知り合いって
さすがにいませんが」
親方「俺もおらへんわ
ちゃうねん。あのよ。
孫のことやねんけどな
冠位明稜帝に預けたい
って思ってるねんや」
守「えっ?なんで?」
親方の孫は4歳で
親方は孫の前では
優しいおじいちゃんに
なり溺愛していた。
そんな親方がなぜ・・
親方「俺は中卒でよぉ
仕事っつったらこんな
汚れる仕事しかなくて
ずっとやってきたけど
色々後悔してんねん」
守「社長やのに?」
親方「若い頃の・・・
青春ってのがないねん
ずっと仕事してたわ。
昔は会社開いて軌道に
乗った頃はそんな人生
でもよかったかなって
思ったもんやけど・・
友達と一緒に遊んだり
楽しい思い出ってのが
なにひとつないねん」
守「思い出か・・・」
親方「今の守にはまだ
わからんやろうけどな
誰かと一緒に遊んだり
大人数で何かをしたり
って経験っていうのは
若い時しか味わえへん
野田さんのところには
そういうのがあるやろ
そんで色々経験させて
成長していくやんけ。
せやから入れたいねん
孫の将来の為にも」
守「親方。間違ってる
ええように言いすぎや
教育じゃないねんで。
先生のやってる事は。
うちは世間からすると
否定される事ばっかで
普通の大人やったら
責任とられへんから
止めるような事ばっか
で問題だらけやねん」
親方「どんな問題や」
守「バイクとか喧嘩。
基本的には学校で禁止
されてるようなこと」
親方「それを問題と
してる奴おらんやろ。
野田さんのとこには」
守「まぁ・・・みんな
黙ってしてるけど」
親方「それにお前らは
頭がええやろ?そんな
自由に相応しいだけの
頭の良さがあるやん」
守「必要やからなぁ。
学力ってのが・・・」
親方「不思議やってな
なんで野田さんの所は
頭の良さにも拘ってる
んやろうかって・・」
守「簡単やで」
親方「簡単?」
守「目的が違うねんよ
うちは強くなることを
目的としてないねん。
勝つ事を目的としてる
勝つとなったら頭の
良さが必要やんか。
勝ち方も知らないと
あかんし状況も見て
判断もせなあかんやん
その為に必要なだけ」
守君は普通に言った。
親方は驚いていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿