第969話　魂輝の答え

魂輝「守。ごめんです～」

守「別にええねんけどな。
今日は何かあったんか？」

守はなにも知らなかった。
何も聞かされていないから

そして・・・魂輝の答えは

魂輝「なんもなかったです
それよりもですね～。守。

先生ってやっぱすごいです

僕は先生の生徒でいるのが
恵まれてると思いました」

守「やっとわかったんか？
俺は最初からわかってたぞ

先生じゃなかったらみんな
あんな自由にできへんし」

魂輝「そうですよね～。
十人十色って言える指導者
なんて先生ぐらいですよ」

守「その分大変みたいや。
しんどい事してるからな」

魂輝「知ってたんですか？
その方がしんどいって」

守「見てたらわかるわ。
楽をしようとしてへんし」

魂輝「守は観察力高いです
僕はわからなかったです」

守「俺にはタマみたいに
力の才能がないからな。

そうやってやってかんと
勝ってく事ができへんわ」

魂輝「僕に才能ですか？
僕は必要な努力ばかりを
していますけど・・・」

守「わかってへんなぁ。
先生も言ってたんやけど

タマは基礎固めてるから
才能が見えにくいねんや

努力っていうのは時には
才能を隠してしまうねん

タマは努力しなかったら
才能だけで強かった人間

その才能は凡才の努力を
否定するような強さや」

魂輝「そうでしょうか。
才能は守の方があるって
ずっと言われてましたよ

だから僕は悔しくて・・
守の数倍鍛錬したです」

守「質が違うねんなぁ。
俺は間を制するタイプや

つまり考えなあかんねん
判断と行動を一対にして
行動を逆手にとったりな

でもタマはな。違うねん
タマは破壊するタイプや

考えなくてええねんや。
考える必要がないねん。

相手の策や駆け引きとか
誘いとか関係なく相手を
潰せる側の強さやねん」

魂輝「破壊・・ですか」

守「あぁ。ダディと同じ
タイプやねんってよ。

そこに技や駆け引きが
あるから幅が広がる。

才能＋努力で努力が
上回るからわからない。

タマの才能ってのが」

魂輝「難しいですよ。
僕はよくわかりません」

守「まぁそうやな・・・
今はまだわからんかな」

魂輝はまだ中学生だ。
まだ難しい年頃だった。