天野「ううっ・・・ぐす」
俺は泣いて1人で帰ってた
泣いた理由はわからない。
悔しいからなのか・・・
のけ者にされたからか・・
必要とされないからか・・
それとも負ける勝負に
向かっていった2人を
黙って見ることしかでき
なかったからなのか・・・
それはもうわからなかった
ただ・・いじめられてた時
には泣かなかったのに・・
歩いて帰っていると・・・
八巻さんが俺を探していた
八巻「おーい。天野ぉ~。
やっと見つけたわぁ~。
いつものとこおらへんから
どうしたんかと思ったわ」
天野「八巻・・・さん」
八巻「どうしたんや?
なんかボロボロやないけ。
またいじめられたんか?」
天野「違うんです・・・
どうしたらええんか・・」
八巻「どうしたんや?」
俺は八巻さんに話した。
八巻さんしか話せなかった
八巻「なるほどなぁ・・・
たった2人で行ったんか」
天野「俺は不良やないから
来なくていいって・・・」
八巻「ええツレやないか。
天野の事心配してんねん」
天野「でも・・・こういう
時に頼りにされなかったら
俺は友達て言えへんもん」
八巻「うーん。難しいなぁ
俺が助けに行ったろか?」
天野「それはあかんよ・・
八巻さんに迷惑かけられん
八巻さんのいる暴走族が
どんなんかは知らんけど
多分八巻さんのとこよりも
大きいとこみたいやから」
八巻「俺らよりも大きい?
うーん。ルシエドか?」
天野「よくわからんけど。
とにかく八巻さんに迷惑を
かけたらあかんから・・」
八巻さんはどっか小さい族
の総長だと思っていた。
まさかルシファーの総長と
はまだ気づかなかった。
八巻「天野が頼まへんなら
俺も動けはせんけどやぁ。
もし天野が黙って動くなら
俺のやったライダース着て
喧嘩にいったらええねん」
天野「えっ・・・でも・・
俺は弱いんですよ?俺には
着る資格が・・・」
八巻「弱くてもええねん。
ツレの為に黙って動こうと
してるんなら着たらええ。
あのライダースはなぁ。
強い奴が着るんやないねん
大事なもんを守ろうとする
やつが着てるねんや。
自分の為に動くんやったら
着る資格はないけど誰かの
為に動くんやったら着る
資格が十分にあるねんや。
ツレの為に動くんやったら
負けてもかまわへんわ」
天野「八巻さん・・・」
八巻「俺もな。ずっと看板
背負ってきてるからわかる
総長になってな。俺一人が
看板背負った気になって
守れなかった時があってん
その時に守ってくれたんは
やっぱり仲間やったからな
大事にする価値あんねん。
ちゃんと仲間守ってこい」
悩んでいた俺の背中を
簡単に押してくれた。
俺の悩みはもうなくなった
前に進むしか選択肢がない
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