天野「こいつ・・・」
守「ぼさーっとすんなや。
行くぞ。このクソボケ」
今度は守君が動いた。
虚のジャブとローキックを
確かめるように打ち込む。
腕・・・肩・・・腹・・・
胸・・・膝・・・足・・・
天野「効かへんわぁ」
天野は防御をせずに反撃を
してくるが守君は避けてた
いつもは受け流すのに・・
避けることに集中していた
司「なんで?そんなの・・
効くわけないやんか」
ただ当てているだけだ。
倒せるはずもなかった。
守君らしくなかった・・・
守「ふぅ・・・そうか。
そこまで着込むとはなぁ」
天野「てめぇ・・・
確かめてただけかいやぁ」
守「確かめな痛い目見る
んは俺のほうやないけ。
ほぼ全身武装してるとはな
丁寧に安全靴まで履いて。
まさかそこまでやるとは
さすがに思ってなかった」
司「・・・全身武装?」
天野「ご名答。驚いたわ。
今までシバキ終わる前に
バレた事なかったのになぁ
お前・・油断できへんな」
守「バカか。油断できへん
のは俺の方やないけ・・」
タイマンに確実に勝つ為に
全身装備をして望んだ天野
遊びのタイマンと思って
何も装備をしていない守君
一般的に言うのなら・・・
卑怯というならば天野だ。
正々堂々なのは守君だろう
しかし・・・何も準備せず
油断していたのは守君だ。
悪く言えば喧嘩をなめてる
勝負というのは1回きりだ
もう1回と言うのはない。
それは・・・つまり・・・
同じような場面は作れない
勝負と言うのはきれいごと
で成り立ってなく見えない
ところでは卑怯な事や
駆け引きもあるからだ。
ただ守君が負けても誰も
責める者はいないだろう。
負けた時の言い訳ができる
相手が卑怯だったから。
卑怯だったから負けた。
ちゃんとやったら勝ってる
同じ条件だったら勝ってる
確かにそう言う権利はある
そう言える権利はあるけど
結果は何も変わる事はない
ただ・・・卑怯だからと
言って再戦ができるか?
といえばそれはまた違う。
要求する事はできるだろう
でも同じテンションでの
再戦はまず不可能に近い。
「卑怯なことをするなよ」
と言って戦えると思ってる
ならはっきり言って甘い。
ルールにのっとった上でも
そういう条件をつけないと
戦えないと言ってるもんだ
守君は・・それを言わない
戦場を知っているからだ。
クラブマガでもそうだけど
準備している者は当たり前
準備していない者が悪い。
準備していた天野が偉い?
準備してない守君が悪い?
負ける訳にはいかない天野
のやり方が卑怯なのか?
勝たなくてもいい守君が
油断したのが悪いのか?
どっちかが良くて・・・
どっちかが悪いなんて・・
僕はさすがに思えなかった
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