第718話 マージン

2022年10月19日

第29部-夏休み後半-

t f B! P L
清人さんがゆっくり近づき
間合いが詰まり中距離に
まで近づいた瞬間・・・

野田「ここっ!!いまや」

先生が左の中段廻し蹴りを
打ちこみにいった。

清人「仕掛けてきたか」

清人さんはその瞬間すぐに
体を前に傾けて自重を使い
一歩強く踏み込んで前に
拳を突き出して打った。

「おおっ。すげぇ~」
歓声が大きく響き渡る。

野田「あぶなっ・・・」

清人「まだ危なくないやろ
マージンは残ってそうや」

司「ふわぁ。すごいよ」

僕はポカーンとしていた。

清人さんは先生の蹴りの芯
を外し右手で膝を止めてた

先生は蹴りを止めずに清人
さんの突きを避けていた。

清人「仕合う気あるやんけ
お前は格闘技がしたいんか
思ってしまってたやんけ」

野田「できるんやったら
格闘技に変更してほしい」

先生達の話が難しかった。

司「えっ?どういう事?」

守「わからへんのか?
倒すことを目的としてへん

ほぼ喧嘩みたいなもんや。
グローブも防具もつけんと
やりあってるからなぁ。

安全面もないしラウンド制
でもないし判定もないねん

そうなったら・・・決着の
つき方は違うねんや」

司「決着はどうつくの?
もしかして最後に立ってた
方が勝ちって事なの?」

守「いや・・・違う」

魂輝「意識の乖離です」

司「意識の乖離?」

守「気絶みたいなもんや
トドメをさせる状態や」

司「気絶って・・・」

シャレにならんと思った

魂輝「これをやられると
体が恐怖を覚えてしまう
のできついんですよ」

司「もしかして・・・
その経験あるの?」

守「うん。あるよ」

魂輝「何回かあるです。
小さい頃にダディに何度
かされて克服するまでに
3ヶ月はかかりました」

守「あれ経験してからは
今まで怖いって思ってた
ことが怖くなくなった」

魂輝「外で組手をしてて
通報された事ありました
あの時大変でしたよね」

守「周りから見たらなぁ
ただの幼児虐待やから」

司「そりゃそうやろね」

小さい頃に・・・
生と死が近いような指導
を受けてたのが怖い。

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