第712話 介抱

2022年10月13日

第29部-夏休み後半-

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憲吾「うっ・・おええ」

守「大丈夫かぁ?憲吾」

憲吾「おう・・大丈夫や」

守「そうか。よかったわ」

憲吾は便器前で吐いていた
守君はブースの外にいた。

カチッ・・・ジジッ・・・

守君はたばこに火をつけた
そして黙って待っていた。

憲吾「悪いな・・・守」

守「全然。ちょうどたばこ
吸いたいとこやったしな」

憲吾「・・・なぁ。守・・
俺ってなんでいつもこんな
感じになるんやろうか」

守「何言ってるんや?」

憲吾「俺はいっつもやぁ。
かっこつけたくても空回り
してしまっててやぁ・・・
守や司みたいにでけんわ」

守「俺かっこつけてるか?
そんなつもりないけどや」

憲吾「守はモテるから・・
わからんのやろうけど・・
羨ましい時多いねん」

守「そうかぁ?」

憲吾「そうやねん」

守「俺は憲吾が羨ましい。
ずっとそう思ってたけど」

憲吾「守が・・?俺を?」

守「おう。俺は日本に来て
・・・いや。来る前からな
友達がおらんかってんや」

憲吾「何言ってるねんな。
守が友達おらんわけない」

守「いや・・マジやねん。
今みたいに心許せるような
奴らがおらんかってんや」

憲吾「なんでなんや?」

守「日本人ってだけでな。
いじめられる対象やった。

アメリカは差別があってな
黒人ってだけで嫌われたり
するのって知ってるか?」

憲吾「あぁ。それぐらいは
まさか・・・守がいじめに
あってたんか?」

守「いや。あってない。
イジメの対象やっただけ」

憲吾「どういうことや?
全然訳わからんねんけど」

守「差別があるってのが
わかってるのなら省くけど
アメリカ人は日本人を奴隷
みたいに使えると思ってる
みたいでな。小1の時やわ
教科書に色々落書きされて
机の上とかにfuck youとか
色々書かれてたりしてな」

守君は笑いながら話してた

憲吾「それ笑い事ちゃうぞ
・・・んでどうしたん?」

守「犯人はわかってたから
授業中そいつの席に行って
椅子で頭を殴っただけや」

憲吾「殴っただけか?」

守「いや・・・そっからは
素手でちゃんと殴ったよ」

憲吾「答え方おかしいわ」

誰にだって・・過去がある
その話はまだ続いた。

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