第695話 司の辛さ

2022年9月26日

第28部-夏休み中盤-

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司「僕はね・・・家族の
みんなに迷惑かけてるねん
京美には・・・特に・・」

理子「京美ちゃんに?」

司「うん・・・僕の家って
じいちゃんとばあちゃんが
死んでいないってなってた
けど・・・違っててんよ」

理子「そういえば・・・」

司「本当はいるんやんか。
でも・・・僕がいるせいで
父さんにも母さんにも嘘を
つかせてしまってたし・・
京美は悪くないのに・・・
じいちゃんとばあちゃんに
会わせてもあげれないし」

理子「うっ・・・ひっく」

司「全部僕のせいやねん。
京美には・・・僕はいつか
謝らなあかんと思ってる。

昔にね。小さい頃かなぁ。
僕と京美が外で遊んでいる
時におじいちゃんと一緒に
遊んでる子供見ててさぁ。

京美はずっと羨ましいよう
に見てたの覚えてるねん」

理子「それ・・うちもいた
せやから・・・覚えてる」

司「そうやったっけ?」

理子「うん・・・その後に
司が京美ちゃんに京美には
兄ちゃんがいるから!!って
叫んでたの・・覚えてる」

司「そうそう・・・京美も
悲しませたくなかったし」

理子「あの時の司がさぁ。
あたしの中でも残ってる。

司も辛いはずやのにさぁ。
京美ちゃんを悲しませない
ようにしてたん覚えてるよ

あの時・・・思ったもん。
あたしは・・・純粋に・・
司と一緒にいたいって」

司「でも・・違ってたもん
僕がいなかったら京美は
じいちゃんとばあちゃんに
会えてるんやから・・・

京美がもし・・・原因が
僕って知ったら・・・
僕は京美に怨まれる・・・
僕はそれに耐えられへん

理子「そんなん・・・
あたし何も言えない・・」

司「だから・・・何年先に
なるかはわからへんけど
僕は家を出たらもう帰って
来ないようにしようと思う

僕は・・・父さんに・・・
大学は行けって言われてる
から行こうと思ってるけど

大学卒業したら・・・僕は
もう今の家には帰らない
ようにしようと思ってる」

理子「・・・なんで?」

司「僕は母さんの子やけど
京美は父さんと母さんの子
やからさ・・・一般家庭の
幸せ与えてあげたいやん」

理子「どういうこと?」

司「僕がいたら・・・
父さんも母さんも絶対に
京美には実はじいちゃんと
ばあちゃんがいるって事を
言わないみたいやし・・・

僕は大学を卒業させて
もらえるだけでありがたい
から社会に出たら・・・
すぐに家を離れようと思う

京美には・・じいちゃんと
ばあちゃんに・・・
会わせてあげたいから」

理子「司ぁ・・・」

僕の覚悟を理子に伝えた。
理子は何も言わなかった。

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