第694話 司の覚悟

2022年9月25日

第28部-夏休み中盤-

t f B! P L
司「僕の好きな人は・・」

理子「嫌やぁ。やめてよ」

理子は僕の腕を振りほどく
が僕が力づくで離さない。

司「聞かなあかんねんよ。
理子が求めた答えやから」

理子「無理やぁ聞かれん」

司「落ち着いてって・・・
じゃあこのまま言うから」

理子「嫌ぁ。聞きたない」

司「理子よりも上の位置に
いる人っていうのは・・」

理子「・・・っ」

理子が怖がっていた・・・
そして僕は答えを言った。

司「・・・母さんやねん」

理子「・・・えっ?」

司「マザコンとかって・・
思われそうやけど・・・」

理子「はっ?えっ・・?」

理子がポカーンとしていた
わけがわかっていなかった

司「去年にさぁ・・・僕が
父さんの子じゃないって
言ったことあるやんか?」

理子「うん・・覚えてるよ
沢田君と兄弟ってことも」

司「僕の本当の父さんって
言うのは僕が生まれてくる
前に死んだらしくて・・・

その本当の父さんってさぁ
ビデオでしか会った事が
ないねんけどね・・・」

理子「・・・うん」

司「母さんは父さんと結婚
せず僕を1人で育てようと
してたらしいんやんか・・

高校卒業してすぐやで?
そんなん考えられる?」

理子「無理・・やと思う」

司「僕もそう思う・・・
そこですぐ父さんがおった
から結局母さんは僕を1人
で育てる事はなかったけど
あれは・・・本気やった」

父さんがいなかったら・・
母さんは本当に1人で僕を
育ててくれていただろう。

15の誕生日に見たビデオ。
あの時のビデオの母さんは
肝が据わってたから・・・

司「僕は・・・母さんにも
言ってないんやけど・・・
もしね。もしやで・・・?

もし母さんが僕を1人で
育ててくれてたとしたら
僕は貧乏やったと思うよ。

そうなったら理子とも・・
出会ってないと思う・・・

でもね・・・それでも僕は
幸せに過ごしてると思う。

母さんがいてくれるなら
それだけで満足やし・・・

母さんが辛かったら・・・
僕も・・・辛いから・・」

僕は涙が出てきてた。
ずっと・・・我慢していた
事を言ってしまったから。

理子「ごめん・・・司ぁ」

司「ダメ・・・まだやで。
ちゃんと・・・最後まで」

まだ話しは終わっていない
僕の覚悟はまだ続いてる。

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