黙ったまま10分が過ぎて
彼女がやっと口を開いた。
女「すみません・・・
もう・・・大丈夫です」
司「大丈夫・・・か」
その言葉は信じれなかった
大丈夫な訳がなかった。
女は男に強がるときは
変にウソをついたりする。
大丈夫って言ったから
大丈夫と思ってはいけない
司「彼氏っているの?」
女「今は・・いないです」
司「そっか・・・」
その部分が気になってた。
彼氏がいるといないのでは
傷の深さが変わってくる。
司「僕は正義じゃないから
ちょっときつい事言うけど
今日の事はなるべくして
なったようなもんやんか。
ヤンキーなめてたらあかん
僕だってなめてはない。
特に夏のヤンキーは輝くし
怖い者知らずになるねん。
ヤンキーの知り合いが
おったら優越感に浸れる
気持ちはわかるねんけど
その分リスクも高いねん」
女「そんな訳じゃ・・・」
司「今日はたまたま向こう
が知ってくれてたから話が
楽にすんだんやけど・・・
あの場面で僕がやられてる
可能性の方が高いんやで。
それぐらいわかるやろ?
本当やったらあんな簡単に
筋なんて通してくれへん」
僕は彼女を全然知らない。
知りたいとも思わなかった
彼女を助けることで僕は
そこまで体を張れない。
簡単に精神が折れるだろう
女「うっ・・ぐすっ・・」
司「今日あった事はさ・・
誰にも言わなくていいよ。
今後彼氏ができた時も・・
こんな事になったってのも
彼氏は知りたくないやろし
心に傷を残したままで・・
付き合う事に罪悪感なんて
感じず付き合えばいいねん
普通に恋愛したらいいよ」
女「でも・・・それは」
司「誰だって心に傷はある
だけど見せたくないねん。
時間が経てば治る傷なら
見せてもいいと思うけど
時間が経っても治らない
一生の傷は見せなくていい
どうやっても変えられない
深い傷は僕にもあるねん」
僕も感情的になってきた。
彼女のどうしようもない
辛さと僕の親が違う辛さが
ダブってきてしまって僕は
もらい泣きしてきた・・・
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