美樹「あたしは最初は
和也さんの後輩の2人と
幼馴染やってんやんか。
その2人が和也さんを
慕ってから知ってんよ」
司「その2人ってのは
卓兄ちゃんの事なん?」
美樹「そう。1人はね」
司「もう1人は誰?」
美樹「もう1人は日本に
住んでないねんよ・・」
守「ドイツって聞いた」
美樹「うん。医者やねん
ドイツで頑張ってるよ。
明君はすごいからねぇ。
高校卒業してアメリカの
医大に飛んでるからね」
守「すげぇ。でも何で」
司「日本の医大に行けば
よかったんじゃない?」
美樹「工業高校やってん
工業高校から医大に行く
のは難しいねんやんか」
医大はただでさえ難関だ
経歴や学歴を優先する
日本では工業高校から
の合格は0に等しかった
美樹「アメリカやったら
学歴は関係ないからって
受験して合格しててん」
守「めっちゃすげぇな。
でもなんでそんなに医者
になりたかったんやろ」
司「そうやんなぁ・・・
工業やったらそのまま
専門職になるもんね」
医大に入れる人ほどの人
がそんなバカな行動を
とるとは思えなかった。
美樹「医者になるって
決めたのは高3になる前
で和也さんが目の前で
倒れたからやねん・・・
今までは助けれたけど
病気の時は自分は無力で
祈るだけしかできなくて
なんにもできんかった。
それが悔しかってんて」
司「そうなんや・・・」
たった1年で・・・
その人もロバートの為に
色々動いてた人だった。
美樹「まぁ。その辺りは
旦那に聞いたらわかるわ
まぁゆっくりしてって」
僕達は深く考えていた。
父さんにしても柴田さん
にしても同じ事だけど
強い人達が動いてくれた
ロバートと僕らは違う。
僕らは差を感じていた。
ロバートは18で去った。
しかし意思は残っていた
自分達が大人になった時
強い大人が動いてくれる
ような人になれるのか?
なれる自信が無かった。
知れば知るほど・・・
差が広がっていった。