守「武道の本来の姿ですね
その経験は自動的に強さの
ランクを上げてくれます」
守君は共感していた。
その経験を知っているから
そして怖さも知っていた。
サーペントのリングは怖い
レフェリーがいないので
ストップがかからない。
さらに判定決着もなかった
セコンドがタオルを投げる
かギブを宣言するしかない
ギブをするということは
すなわち敗北を意味する。
簡単に敗北を認めるような
精神は持ってはいなかった
かなりハードな精神状態で
リングに入らないと戦えず
気を抜くと簡単に負ける。
敗北は道場の負けに繋がる
その分勝者にはおしみない
声援や応援が与えられる。
一度の敗北は認められるが
3連敗するとその選手は
サーペントにもう立てない
強い者だけが残れる場所。
強い道場が宣伝できる場所
みんなにとっての居場所だ
その分真剣になれていた。
司「すごいなぁ・・・」
プロみたいに思えた。
少し尊敬してしまった。
僕は話を聞いていただけで
サーペントの選手の人には
勝てる気がしなかった。
年齢も2つ3つぐらいしか
変わらないのに違っていた
2時間が過ぎてご飯を
食べ終わって帰る事になる
みんな先生に頭を下げてた
先生は少し困っていた。
みんなそういうのは苦手で
頭を下げられると困ってる
そして僕達はタクシーに
乗って帰っていった。
守君を送っていってから
僕を送ってくれて別れた。
家についたのは夜中0時
近くになっていた。
かなり帰りが遅くなった。
家の電気はついていた。
リビングへ行くと父さんと
母さんがテレビを見ていた
起きて待っててくれていた
司「ただいま。遅くなって
しまってごめんなさい」
母「いいよ。野田君と一緒
におったんやろ?」
司「うん。今タクシーで家
まで送ってもらってん」
父「お帰り。司。野田には
何食べさせてもらった?」
司「焼肉食べた。食べ放題
やったけど美味しかった」
父さん達は怒らなかった。
先生と一緒だったから。
父さん達は先生を信頼して
くれていたからよかった。
先生は父さんにはびびって
母さんには一歩引いている
過去に色々あったらしい。
いじめられてたらしかった