そんな話をしている間に
試合は進んでいっていた
そのたびに席の半分だけ
が喜んだりしていた。
守「このサーペントって
何で半分だけが喜んで
いるんですか?」
野田「あぁ。それはなぁ
客同士で賭けをしててな
どっちが勝つか賭けてる
今日は道場派と大学派で
別れてるみたいやから」
司「ギャンブルですか?
そんなんいいんです?」
野田「ほんまはあかん。
でもなぁ。運営者側の
俺達が元締めやないし
掛け金受け取ってない。
客同士でやってるねん」
守「黙認してるんです?
なんでなんですか?」
野田「外れた方の掛け金が
勝った選手の道場の賞金に
なるからや。
勝った客は掛け金が戻る。
負けた客は掛け金が戻って
損しかせーへんからな」
司「そうなんですか?」
野田「道場の経営って・・
結構赤字の所が多いから。
客は出資者みたいなもんや
このサーペントを利用して
もらえればええと思ってる
警備会社の客もおるし
そういう所と一緒に提携
したりできればええねん。
戦う為に強くなったんなら
戦う場も与えてやりたい。
サーペントは一般の人達の
為に用意した舞台やから」
守「冠位明稜帝が出ない
ってのとどう関係が?」
野田「うちは経営に困って
ないし宣伝する必要もない
ここに出て道場主の居場所
を奪わなくてええねんや」
司「そう言われれば・・・
うちは生徒多いですよね」
守「その割に道場せまい。
人数多いからもっと大きい
道場へ引っ越しって思う」
小学生~高校生を合わせる
と300人ぐらいはいた。
道場はあまり広くはない。
野田「あの道場は借り物や
無料で貸してくれてるねん
ロバートがおる頃からな。
無償で貸してくれてるから
気持ちを受け取ってるねん
もう20年近いはずやわ」
司「そうなんですか?」
野田「そうそう。あっこ
から出て行く気はないぞ」
守「それなら・・無理や。
すみません生意気言って」
自社道場だと思っていた。
まさか借り物だったとは。
試合は次々と進んでいく。
司「このサーペントに出て
いる人って強いですよね。
これも先生の指導です?」
野田「いや違うよ。指導者
はセコンドついてるやん」
戦いを見ている限りでは
ほとんど喧嘩に近かった。
だから先生が教えていると
思う部分も多かった。