第460話 後ろ廻し

2016年7月25日

第18部-親の仲間達-

t f B! P L
拓也「先生~。待ってぇ」

野田「ん?どうしたん?」

拓也「駅まで送りますよ。
久しぶりに会ったのにすぐ
バイバイって嫌ですから。
武術の相談したいんです」

野田「どの辺りの相談?」

拓也「後ろ廻し蹴りです。
なかなかうまくいかなくて
どうしたらいいんです?」

野田「うーん・・・拓也の
後ろ廻し蹴りはできてるぞ
どこが上手くいかんねん」

拓也「一撃で倒せなくて。
大技は一撃で倒すのに」

野田「当てる場所とかの
問題の方になってくるわ。
小4で人体急所なんて
鹿角さんも教えへんしな。

そうやなぁ・・・
守。ちょっと見せたって」

守「はぁ?ここで?」

野田「大丈夫や。1回だけ
見せてやってくれ」

守「じゃあ・・1回だけ」

普通の道路でやれと言った
人の目もあるので目立つ。

ババッ・・・バッ・・・

司「おおっ。綺麗や」

相変わらず綺麗なフォーム
で素早い蹴り方だった。

拓也「それ・・・違います
それは求めてるのと違う」

司「えっ?違うの?」

野田「普通の後ろ廻し蹴り
を見たいんやないってさ」

守「どんなんがええの?」

拓也「こんなんです」

拓也君がやって見せた。

ババッ・・・バッ・・・

司「おー。すごいすごい
拓海君もめっちゃ綺麗や。
でも・・何が違うの?」

同じようにしか見えない。
僕には違いがわからない。

野田「わかったか?守」

守「ほんまに小4ですか?
最後の蹴り込み玄人ですよ
そんな蹴り込み求めなくて
もいいと思いますけど?」

野田「しゃあないねんや。
拓也は飛燕さんに蹴り技を
教えてもらってるんやから

飛燕さんって安部さんの事
あの人蹴り技得意やった」

守「そうなんですか」

司「何が違うんですか?
守君と拓也君の違いって」

守「膝を使うか使わないか
俺がやったのは真っ直ぐ
足を伸ばして当てる蹴り方
まぁ一般的な蹴り方やった

でも今拓也がやったんは
膝を使って軌道を変えて
相手のガードを抜けて蹴る
蹴り方で防ぎにくい蹴り」

司「どっちがいいの?」

守「どっちでもええねん。
相手の力量によるねんけど

素人やったら膝使わなくて
も綺麗に当てれる。

玄人やったら膝使わないと
なかなか当てられへん」

司「玄人相手って・・・」

小さい頃から高いレベルを
求めてやっていた人の話は
僕にとってはまだ難しい。

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