守「でも俺とタマは
一応兄弟やねんなぁ?」
由紀「うん。2人共母さん
がお腹痛めて生んだから」
守「父親違いなだけかぁ。
なんか難しいけどなぁ。
でも・・・まだよかったわ
タマが父さんの子であって
本当によかったわ」
魂輝「何言ってるです?
父親違いってなんです?」
由紀「・・・なんで?」
守「もしタマが父さんの子
やなかったらタマが今の話
を受け入れなあかんって
事やんか。タマはムード
メーカーやからそんな事を
背負って欲しくないねん。
タマはニコニコして笑って
たらええのにタマが悲しむ
となったら俺も辛くなる」
由紀「守はタマ思いやね」
守「タマにはそういう辛さ
は必要ないと思ってるし」
守君は我慢をしていた。
強がって言っているが・・
自分が両親の子供では無い
辛さが無いわけじゃない。
精一杯強がってただけだ。
由紀「守・・・あんたの
父さん・・見てみたい?」
守「死んだんやろ?」
由紀「この中で生きてる」
由紀さんはビデオを出した
守「それは・・・?」
由紀「死ぬ前にね・・・
15歳になった守に対して
送ってたメッセージやねん
ただ・・・強制はしない。
自分で選んでほしい・・・
もし見てダディに対しての
父親への感情は薄れるかも
しれない事も頭に入れて
考えてほしいねんな。
見たくないなら見ない。
見るなら見るって決めて」
守「見るに決まってるわ。
考える余地なんてないよ」
由紀「わかった・・・」
由紀さんはビデオを入れた
由紀「守の父親の名前は
橋本 和也。それが・・・
名前やから・・・」
守「うん・・・わかった」
魂輝「なにするんですか?
守の父親とか・・なんとか
ビデオを見るんですか?」
そして再生ボタンを押した
守君は緊張して待っていた
映像がかなり乱れていた。
少ししてから始まった・・
由紀「これでええかな?」
男「由紀は機械音痴やから
できてたとしても不安やわ
あ~。でもそれでええよ」
由紀「じゃあ15歳になった
守君へメッセージどうぞ」
男「初めまして・・・守。
橋本 和也と申します。
こんな形でしか会えなくて
本当に悪いと思ってます」
守君は黙って見ていた。
画面に集中して見ていた。