司「僕は・・・京美には
言わなくてもいいと思う。
京美には言いたくないや」
母「そう・・・」
母さんは何も聞かなかった
僕に選択権をくれていた。
京美がそんな事を知ったら
母さんの事を嫌うだろう。
だから・・言わなくていい
家族が壊れるぐらいなら。
司「じゃあ・・・僕は
いつもの日課してくるね」
母「気をつけてね」
時間があったので早朝に
日課をしたくなった。
いつもは柔法の型をやる。
だけど・・・この日は・・
打撃がしたかった・・・
ドシイィイン・・・
ドシイィイン・・・
公園に行って木を殴る。
木を人間に見立てて・・・
ずっと肝臓打ちをやってた
手からは血も流れてきた。
だけどそれでも続けていた
痛みが嫌な事を消してくれ
気分が落ち着いてくるから
魂輝君がよくやっている
ボクシング技術で接近戦で
使うショートフックを肝臓
にめがけて打ち上げる。
司「・・・あれ?
感覚が・・・違うや」
今までは腕だけで殴ったり
していたけど体のバネを
使って殴ると威力が変わる
多少の力でも勢いがついて
パンチも強くなっていた。
司「腕以外の力も使ったら
こんなにも変わるんやぁ」
打ち抜くつもりで叩く・・
両拳とも血だらけだった。
司「あ~。痛かったぁ・・
痛みって気持ちいいなぁ」
いらつく時のこの痛みは
嫌な事を忘れさせてくれる
それが少し気持ちよかった
1時間ほどしてから帰った
司「ただいまぁ~」
京美「お帰り~お兄ちゃん
今日起きるの早いんやね」
司「あぁ。京美おはよう。
なんかあまり寝れなくて」
家に帰ると京美も起きてて
テンションが高かった。
今日から中学生となったら
不安と期待でいっぱいだ。
京美「うわっ。痛そう~。
手から血出てるやんかぁ。
京美が手当てしたげる~」
司「いいよいいよ。自分で
ちゃんと手当てするから。
京美が汚れたら困るし」
京美「京美が手当てするの
まだ制服じゃないからいい
お母さ~ん。救急箱って
どこあったっけぇ?」
京美はバタバタしていた。
そして救急箱を持ってきて
僕の手当てをしてくれた。