母「司には兄弟がいるねん
母親の違う同じ父親が」
司「えっ?どういう事?」
頭が真っ白になった。
言ってる事がわからない。
母「さっき・・言ったよね
彼女が2人おったって」
司「うん・・・まさか?」
母「そう。もう1人の彼女
も子供を生んでるねんよ。
司と・・・同じ年の子や」
司「そんな・・・なんで」
さすがにこれはショックだ
受け入れられなかった。
母「その人の方が母さん
よりも早く生んでたよ」
司「どんな人なん?」
母「司も知ってる人・・・
もう・・・会ってるから」
司「僕会った事あんの?」
母「うん。もう会ってる。
その人は子供を生んでから
翌年にアメリカに行った。
そして2年前帰ってきた」
司「アメリカ?まさか」
ビデオの最後言ってた名前
あの名前が確か・・・
母「旧姓 佐川 由紀。
現在結婚して沢田 由紀。
子供の名前は沢田 守」
司「ウソやん・・僕と守君
が腹違いの兄弟なん?」
母「うん・・・そう・・・
あたしのライバルは由紀。
愛した人も同じやった。
由紀の方も守の誕生日に
この事を話したみたい。
由紀から泣きながら電話
があって話してたから」
司「守君も知ったんや」
ずっと道場を休んでいた
のがこの理由と思った。
何も知らない僕に顔を
普通に合わせることが
できなかったんだろう。
それを思うと辛かった。
僕はもう我慢ができずに
泣き出してしまった・・
母「母さんね・・・
司におじいちゃんと
おばあちゃんいないって
言ってたけどあれは嘘。
ほんまはおるねんや。
父さんにも母さんにも。
母さんの方はいいけど
父さんの方は会ったら
可愛がるのは京美だけで
司は何もしてもらえずに
いたから無理やった。
父さんが望んでくれても
父さんの親達はやっぱり
結婚に反対してたから。
それで父さんと相談して
もう会わせないって事で
死んだって言ってたの」
司「そうやったんや・・
でも・・会わせたげてよ。
京美は関係ないんやったら
京美だけはおじいちゃんと
おばあちゃん会わせたげて
僕は会わなくてもいいけど
僕のせいで京美までそんな
思いしているっていうのは
嫌やぁ。僕はいいからさぁ
京美にはちゃんと・・・
おじいちゃん達に・・・
会わせてあげてよぉぉぉ。
うっ・・うわあぁん・・」
母「司ぁ・・・ごめんね」
僕は耐え切れなくなった。
母さんは僕を抱きしめた。
僕と母さんは泣いていた。