第398話 メッセージ

2016年5月23日

第16部-2人の真実-

t f B! P L
京子「じゃあ言ってあげて
未来のお腹の司君に・・」

男「そうやなぁ・・・
何も言える事はないけど」

僕はヘッドフォンを外した
そして母さんに確認した。

司「この人が・・僕の?」

母さんは声を殺し泣いてた
黙ってうなづいてくれた。

またヘッドフォンをつけた
ずっとビデオを見ていた。

若い頃の母さんは今では
見せないような表情だった

幸せそうな感じが伝わった

男「これを見ているって事
はもう15歳なんやろうなぁ

ごめんなぁ。何もできずに
こんな形でしか会えんくて

司は俺の事知らないやろし
俺も司の顔がわからん・・

俺は父親って名乗られん」

その人は話をしていた。
僕に向かって話をしていた

男「親らしいことって・・
俺はなんにもできへんけど
母さんを怨まんとってくれ

今・・・どんな生活やろか
母子家庭で育ってるんかな

母さんに反抗してへんかな
母さんだけは泣かせない
ようにしてほしいけどな。

15年後のことなんて・・・
なんにもわからんからなぁ

もし今京子が結婚して・・
司も幸せだったら嬉しい。

もし京子も司も今幸せなら
このビデオは見なくていい

幸せが壊れてしまうなら
このビデオは壊してくれ。

でももし不幸せと感じてて
このビデオを見ているなら
母さんを怨むな。俺を怨め

俺だけを怨んで生きろ。
なんにもできなかった・・
俺が全部悪かったんやから

そして・・・司って名前を
決めたのは俺やから・・・

母さんが子供の名前を
決めてくれって言ったから
病室でずっと考えててん。

母さんはな。あー見えても
かなりしっかりしてるねん

周りに何を言われても
負けない強い意志がある。

だけどそれが必ずしも
いい事とは言えへんねん。

孤立するかもしれへんし
周りに嫌われるかもしれん

18で子供を生んだなんて
世間は否定的やからな。

子供には19で生んだって
いう事にしとけばいいって
言ってるんやけどなぁ。

それでな。そんな母さんを
孤立させたくなかってん。

母さんに足りない周りの人
を魅了する力が必要やねん

司どってくれる存在が必要
それができるんがお前や。

俺にはもうできへんからな
母さんの子供であるお前に
その役目を渡したかった。

だから・・司って名づけた
それが司の名前の由来や」

僕は黙って見続けていた。
本当に・・・僕は父さんの
子供じゃないとわかった。

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