司「意味がわからへん。
京美も違うってこと?」
母「京美は父さんの子」
司「どういう事なんよ。
なんで僕だけ違うん?」
母「母さんね・・・
中学生の頃からずっと
好きな人がおったんや。
一緒におるだけで癒され
一緒にいて楽しかった。
それで高校の時に子供を
授かる事ができたんよ」
司「それが僕って事?」
母「うん・・・そう」
司「ちょっと待ってよ。
僕が生まれた時の写真を
見たら父さんと一緒に
写ってるやんか・・・」
母「その人はね・・・
司が生まれる前に・・・
死んでしまったから」
司「死んだの?なんで」
母「白血病でね・・・
抵抗力も無いのに無理して
退院して高校の卒業式の日
に人間として死んだ」
司「人間としてって?」
母「その時隔離されててね
病人のまま長く生きるか
人間らしく少しの命を
生きるかって選択をして
後者の方を選んだから」
司「じゃあ父さんとは僕が
生まれてから出会った?」
母「違う。父さんもずっと
その人と一緒に行動してた
中学生の頃から知ってた」
司「友達だったって事?」
母「喧嘩して知り合って
父さん友達になりたがって
その人に近づいたみたい」
司「全然・・わからへん」
頭の中でまとまらなかった
母「本当はね。母さん1人
で司を育てていく気でね。
その覚悟で司を生んだんよ
だけどね。父さんが・・・
手を差し伸べてくれてた」
司「それから・・なん?」
母「最初は何度も断ったよ
父さんはモテテたし会社の
経理もしつつ夜は大学で
勉強もやってた人やから。
子供がいるあたしよりも
他の美人な人とってずっと
思ってたから。父さんとは
母さん友達だったからね」
司「じゃあなんでなん?
なんで結婚をしてるん?」
母「父さんがね・・・
司を父親として育てたい。
それに京子は不幸せになる
ような女やないしさせへん
って言ってくれてさ・・・
母さんも強がってた部分が
あってすがってしまってね
1年間はそのまま付き合い
その後に結婚したんよ」
司「なんか・・・最低や」
母「うん・・・最低・・」
母さんが最低に思えた・・
簡単に男を乗り換えた気が
して・・・嫌だった・・・