司「なんで勝った方が
悪くなるんでしょうね」
野田「暴力やからや。
スポーツとは違うやん」
司「暴力ですか・・・」
なんかすぐ納得ができた。
野田「まぁ。でもなぁ・・
ちゃんとしたジークンドー
ができんくなったなぁ~」
司「すいませんでした。
せっかく連れていって
くれたのに・・・」
野田「まぁしょうがない。
剛士の生徒教育が悪いわ。
桁成にでも教えてもらえ」
司「桁成って高校生の部に
移動したんですよね?」
野田「まだやけどな。
高校も合格したみたいで
今は入学準備で忙しいやろ
みんなと合格祝いとかも
やって遊んでるやろうし」
司「楽しそうですね」
野田「そうやって楽しく
やって行くねんや。5月
ぐらいまで待てばいい。
それまでは詠春拳を教え
てくれる道場に行くか」
司「詠春拳って?」
野田「ブルースリーが
ずっと習ってた拳法や。
ジークンドーの打撃技術
とほとんど一緒やから。
ジークンドーの一部基本
ができてるとでも思え」
司「そうなんですかぁ。
基礎みたいなもんです?」
野田「また全然違うわ。
ジークンドーの技術の方が
実践では役に立つからな」
司「なんか難しいですね」
野田「5月になると遅いか
トラッピングと軌道変更は
教えておくかな」
司「トラッピングってのは
前に見た事があります。
手を封じるんですよね?」
野田「簡単に言えばそうや
相手が気づかない間に両手
を使わせない技術や」
司「あれすごかったですよ
芸術かと思いましたから」
野田「流す方が速いけどな
攻撃させる前に止めて打て
それが使える技術やな」
相手がパンチを振り切る前
に止めて両手を封じてその
ままの流れで相手を殴れと
いう事を言っていた。
攻撃されてしまってからは
化勁で流し攻撃させる前は
トラッピングで封じる。
上手に使えと言う事だった
それから道場に戻ってまた
柔法を専門にやっていた。
そして翌日から先生に
トラッピングを直接指導
してもらい練習を続けた。
司「わわっ・・・無理」
野田「トラッピングとは
違うけど応用もあるねん」
先生は基本を教えてくれて
他のやり方も教えてくれた
トラッピング技術からの
崩しや投げ技への移行に
繋げる繋ぎ技としての
やり方も教えてくれた。
それは亜流のやり方だ。
だからジークンドーとは
言いきれはしなかった。