司「ただいまぁ~」
みんなと解散してから
僕は直接帰ってきた。
疲れがどっと出ていた。
母「お帰り。どうやった?
試合やったんやろ?」
司「うん。負けた・・・
勝ちたかったけどねぇ」
母「ふーん。そうなんや。
みんな勝つ為に練習してる
から甘くないんやろうね」
司「そうやねんなぁ~。
僕一番弱いみたいやしさ」
母さんとずっと話をしてた
悩み相談みたいになってた
母「自分が弱いって認める
のはいいけど他の弱い人に
暴力を向けたらあかんよ」
司「うん。わかってるよ。
僕は強さに興味ないから
暴力を向けたりしないよ」
母「強さに興味ないの?」
司「うん。そんなに無い。
強くなりたいけど暴力的な
強さが欲しい訳じゃない」
母「じゃあなんでなん?」
司「人間的な強さが欲しい
下を向いて歩くよりも前を
向いて歩いていたいねん」
母「へぇ。かっこいいやん
小学校は陰気やったのに」
司「いつも目立ってる人を
羨ましくて眺めてたわぁ」
母「成長してきてるんやね
母さんも嬉しくなるわ」
司「痛い思いも多いけどね
辛い事のほうが多いかな」
母「その経験は大事やで」
司「うん。わかってる。
なんか課題が多いなぁ~。
自分の部屋でまとめてくる
おやつあったら欲しい」
母「後で持って行くわ」
僕は自分の部屋に戻った。
そしてノートにまとめてた
柔法だけではなくて今日
見た剛法もまとめていた。
桁成のジークンドーが
強烈な印象で残ってた。
力をそれほど必要とせず
パタパタ殴ってたから。
技術の塊みたいだった。
だけど今は投げに集中だ。
殴らずに制圧したかった。
今日の試合で学んだ腕絡み
の痛さに実用性を知った。
この腕絡みを覚えたい。
元々関節に興味はそれほど
なかったけど投げただけで
終わりにはならないって事
を知りその後の関節技の
トドメも必要だと思った。
司「やること多いなぁ~」
投げはかなり奥が深かった
最初は浅いと思ってたから
僕は全ての考え方が甘くて
甘かった頃の自分を恥じた
2学期の間は道場に通って
投げられてノートにまとめ
る習慣をずっと続けていた
そして2学期も終わった。
ずっと柔法づけだった。
第14部-本家合同- 完