憲吾「なにやってるんや?
そんな大内じゃあかんわ」
司「あっ。ごめん・・・
なんかよくわからんくて」
憲吾「大内は刈って倒す。
それだけ頭に入れといて」
司「また極論・・・
極論は難しいって・・・」
技のやり方を教えてくれず
みんなそういう教え方だ。
憲吾「わかった。教えるよ
そんじゃあ右の大内刈りな
相手をまず横に振ってから
左足を踏み込んだ瞬間に
自分の右足を踏み込んで
体を使って右斜め前方に
崩す。そんで左足を引いて
左膝を曲げて体を支えつつ
右足首を伸ばして大きく円
を描くように足先は畳を
擦りながら相手の左足を
内側から払うねん。この時
相手の左足に体重がかかる
ように体を捻り崩し続ける
これが大内刈りの基本や」
司「なるほど。すごい」
憲吾「こんなん教えるほど
のことでもないねんけど。
本でも載ってることやぞ」
司「あーそっか。僕も
柔道の本を買おうっと」
憲吾「本とかでは教えて
くれへん事を先生や俺ら
は教えてるねんからな。
だから極論になるねん」
司「自分でできることは
自分で勉強ってこと?」
憲吾「そうそう」
司「甘えてたかなぁ」
憲吾「まぁ。甘えてるな。
もうひとつコツを教えるわ
大内刈りの鉄則は
相手の右足を狙うなら
相手の体の左側に自分の顔
を持って行かない事やで」
司「持っていったら・・・
どうなるん?」
憲吾「簡単に返されるぞ」
司「そういうことも本には
書いてたりするん?」
憲吾「いや。書いてない。
アマレスの考え方やし」
司「アマレスなん?」
憲吾「分家ではやらんけど
本家で結構やってるからな
合同練習時教えてくれた」
司「本家ってどんなん?」
憲吾「本家は力重視やねん
純粋な力バカが多いからな
そこにある程度の技術ある
からかなり面倒くさいぞ」
司「分家は技術重視かな?
そんな事聞いた気がする」
憲吾「そうそう。最近は
合同もやってないけど」
司「なんでなん?」
憲吾「さぁ?わからんわ。
近々あると思うけどな」
司「なんか・・怖いなぁ」
憲吾「団体同士で見たら
本家の方がやっぱ強いかな
トップ同士やったら桁成が
勝ってるから分家やけど」
司「桁成は強いんやなぁ」
憲吾「本家は打倒桁成や」
桁成がかなり強いと知った
普段はそうは見えないのに