野田「そんで合気道の動き
は全部円運動で成り立つ。
かなり独特な円運動やねん
横円・縦円・斜円が単独や
複合したりしているから」
話にすでについてけない。
でも先生は話を続けてた。
野田「自分と相手との状況
に対した技があって相手の
多様な攻撃を想定してる。
そして相手の人数に対応
した技がちゃんとあるねん
そんでひとつの技には表と
裏があって相手との力関係
や間合いに応じて使うねん
相手の正面に入るのが表。
背後に入るのが裏や。
技は基本技だけ覚えるで。
四方投げと一教~四教と
入身投げと小手返しや」
司「難しいです・・・」
メモさえ無くて辛かった。
野田「やった方が早いか。
ゆっくり突いてきてくれ」
僕は先生にゆっくり突いた
先生もゆっくり動いた。
先生は前に出ながら僕の腕
を横に流して捌いてる途中
に柔らかく手首を掴んで
僕の横に立った。
そして小指の付け根を親指
で抑えて手首を返された。
司「いたっ・・・いたた」
野田「これが小手返しや」
司「痛いです。離して」
野田「あぁ・・・ごめん」
手首がめっちゃ痛かった。
力は何も感じなかった。
かかってはいけない方向に
軽く向けられただけだった
野田「今の小手返しに力学
を足せば投げれるねんで。
押したり引いたりしてな」
司「わかりましたけど・・
めっちゃ難しそうですよ」
野田「カラクリを知れって
そうすればわかるから。
じゃあまずは小手返しや。
俺に対してかけてみろや」
司「いいん・・ですか?」
野田「いいよ」
先生は僕に小手返しを
教えてくれた。
僕は先生に向けてやってた
野田「力やないねんって。
強引にやっても無理やぞ」
司「ハァ・・・ハァ・・・
全然上手く出来ないです」
野田「最初から上手くいく
わけなんてないやんけ~」
先生は僕をからかっていた
でもヒントもくれたりした
野田「小手返しに入る前に
俺を引っ張ったりして体勢
を崩さなあかんねんって。
かかりやすい状況を作れ」
司「あっ・・・そうかぁ」
僕が先生に投げられた時に
先生は僕に突かせていた。
つまり攻撃をして踏ん張る
体勢が取れない時にやる。
その事にやっと気づいた。