そして・・・1分が経った
野田「時間や。はじめぇ」
富田と桁成が向かい合った
そして・・・顔を殴り合う
バキイイ・・・
富田「ぬおおおっ」
桁成「ぐぬやらぁ」
2人は相打ちだった。
後ろに一歩も引かずに
お互い踏ん張っていた。
そして左手でまた殴る。
これも相打ちだった。
2人共後ろに下がらない
共に相打ちばっかだった
バキッ・・・ドカッ・・
そこに武術は存在しない
素人の喧嘩みたいだった
なのに・・・感動する。
男の意地がそこにあった
桁成「ハアハア・・・
てめぇ・・相打ち狙いか」
富田「そうやな・・・
それしかお前に勝てる気が
せーへんねんや・・・」
富田の方が体格がいい。
力もあるのがわかった。
野田「残り1分やぞー。
いまさらやけど頭同士の
戦いに判定はないから」
桁成「先に言ってくれよ
そーいう大事な事はさぁ」
野田「ゴメン。忘れてた」
富田「よそみすんなよな」
富田が桁成に襲い掛かる。
小さく鋭く下段廻し蹴りを
してから服を掴み釣り手で
顔を殴ってから懐へ入る。
桁成「いって・・・」
富田「悪く思うなよ~。
一撃入れてからじゃないと
お前は崩せへんねんから」
一気に背負って投げた。
うおおおぉぉ・・・
歓声が響き渡っていた。
富田「あかん・・・軽い。
完全に飛ばれてる・・・」
桁成「捻りきれるか・・」
桁成は片膝を着いて着地。
投げられる時に踏ん張らず
脱力状態で投げの勢いに
任せて空間を生じ体を捻る
すると背中から落ちずに
体勢が少し崩れるぐらいで
立っている事ができる。
投げられない為の技術だ。
魂輝「うわ。マジです?」
司「すごい。すごいって」
守「柳の体術まで・・・」
まるで芸術のようだった。
桁成「よっと・・・」
富田「うわっ・・・」
桁成は着地と同時に
アームホイップで投げる。
完全にタイミングで投げた
そして・・・腕をとって
腕ひしぎ十字固めに入った