第1699話 違う方向

2026年9月11日

第60部-果てのない道-

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守「なぜ・・・俺なんですか?
優秀な人は他にもいっぱい
いると思いますが」

カール「確かにその通りだ。
私の元にもミュンヘン大学の
卒業生は多くいる。しかし
優秀なだけだ。私はドイツで
有名な医師と言っても病院内
ではDr瀬戸より立場が下だ。
彼が異常者なところもあるが。
そのDr瀬戸が気にかけている
君が私の手元に欲しいんだ」

守「俺は授業もついていくのが
いっぱいですよ。買いかぶりすぎ
ていると思いますが」

カール「買いかぶってはいる。
会ったことも無い留学生にそんな
ことをする義理もない。はっきり
言って賢くないことをしているのは
自分でもわかっている。なので
これは投資だ。君が使えないと
私が判断したら投資失敗なだけ
で君には何もリスクはない。
そこは安心したまえ」

瀬戸「カールは守がほしいねん。
優秀な部下とは違うタイプの」

カール「本当は卒業間近まで
会う気はなかったしこういった
話もする気はなかった。Dr瀬戸
がバレてるぞって言ったから今日
きて話すことになったが君なら
受け入れられる器だと思った」

守「いいんですか?俺なんかで」

カール「いい。私が勝手に投資した。
途中で諦め医者の道を閉ざしても
君には何もない。今日会ったことが
君のプレッシャーにならないことを
祈っているだけだ」

瀬戸「ま。大人の世界の話や。
カールの部下は優秀やねんけど
頭硬いの多いよな。優秀やから。

守は親や野田から色々学んだと
思うけど現状から最良を選んで
判断して動ける奴がカールは
欲しいねん。次の名医をカールが
育てたっていうような実績がな」

カール「Dr瀬戸が私の部下だったら
私はもっと上に行けてたはずだ」

瀬戸「俺ははみだし者やぞ?
会議もたまにしか出てないし」

カール「当直ばっかしているだろう。
それに従事者のレベルがあがって
いくからむかつかれるんだよ」

瀬戸「守。聞いてて色々思った
ところはあると思う。結果的に
お前はカールに推薦されて入った。

推薦されるっていうことは将来的に
有望な人間を失うことに繋がる。
お前は落としたらもったいないって
いうことをカールが推薦してくれた。

今お前は花開いていっている。
だからカールの推薦は的中している。

カールの評判はあがることになり
守は卒業生で医師になれば大学は
彼はこの大学の卒業生ですと勝手に
広告にされたりすることになる。

チャンスはカールがくれただけ。
利用できるもんは利用してしまえ」

守「こんな俺なんかのために・・・
わかりました。ありがとうございます」

守は入れた理由がわかり納得した。
周りから助けられているんだと。

自分は何もないので助けてもらい
その助けにしがみつくしかないって
いう弱さと無力さを改めて実感した。

カール「じゃあ私は帰ろう。次は
大学卒業頃に会おう」

瀬戸「じゃあな」

瀬戸さん達は病院に戻っていった。
これから夜勤に入るとのことだった。

カール「彼は医者向きだな」

瀬戸「そうか?まだ学生やぞ。
まだ判断はできないだろう」

カール「いや。わかる。彼のパワー
はまだまだ余裕がある」

瀬戸「あまり買いかぶるなよ。
まだドイツきて1年やねんから」

カール「必要であれば私の部下に
サポートさせてもいいがな」

瀬戸「やめとけ。あいつは雑草側
でやっていける。エリートコースでは
想像を超えてこないぞ?」

カール「はっはっは。楽しみだ」

守に期待する人間がドイツにいた。
守は気を引き締め頑張っていった。

翌日は守とカール医師が知り合い
みたいな噂が流れ周りの見る目が
変わった。特待生に見られていた。

守「違うんやけどなぁ・・・」

守の意思とは違う方向で周りは
認識していきだした。

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