第1493話 社会の扱い

2025年9月18日

第51部-早期進路指導-

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憲吾「大学って行こうと思うか?」

綱吉「行くのが普通かなって
思ってたとこある」

司「僕はあんまり」

守「俺は考えてなかったな」

司「憲吾は行く気ないの?」

憲吾「どっちかっていうとな。
俺はさっさと働きたいって思って」

守「なんでや?」

憲吾「勉強ばっかしててもなー。
なんか実感ないし。早く働いた方が
みんなが大学卒業するまでにはもう
いっぱしに仕事できてると思って」

守「それはそうやろうな」

綱吉「でも・・・マジ?」

憲吾「・・・先生から聞くまではな。
大学卒業と高卒であんなに違いがある
なんて知らなかったわ。世の中って
仕事ができるできないだけで決まる訳
じゃなかったんやな。学歴が大事って
いうのはなんとなくわかってたけど
あんなに違うって教えてもらってたら
やっぱ・・・な」

司「そうやね・・・」

意外だった。憲吾は大学に行くもの
だと僕は思っていたから。

憲吾は憲吾で色々と考えていた。
僕とは違う理由だけど高卒で働こう
としていた。

憲吾「先生が人脈のとこ言われた時
みんなが大卒で俺だけ高卒って考えた
時にはちょっと怖くなった。

道場のみんなは今は一緒にいるけど
来年の春にはみんなバラバラになるのは
先輩ら見ててもうわかってる。

そっからはみんないないもんな。
そんでまた会った時に・・・みんなは
今と一緒って訳にはいかないもんな」

司「・・・そうだね。違うだろうね」

綱吉「根っこの部分は一緒やけど
うん・・・目指す方向違ってるやろね」

守「・・・」

みんな憲吾みたいにほんの少し先の
未来を先見していた。

なぜか・・・高卒と大卒の人生の違い
が容易に想像できていた。

それは明らかに違う人生。
だけど人生の歩み方は同じイメージ。

憲吾「やっぱり・・・行くわ。
決めた。今決めた。俺大学行くわ。
俺のいける所で推薦枠で現役で」

綱吉「卒業すればいいみたいやし。
それでいいと思う。高卒覚悟やったら
さすがに大卒の方がいいと思うし」

憲吾「気が楽になるわな。行ける所で
いいっていう感じって。司と守は?」

司「僕はまだ・・・わかんないよ。
ただ大卒はとるべきかな?ってのは
思ってるから行きたいとは思うけど」

守「俺もわかんないな。大学は視野に
入れてちょっと考えたいとこや」

今決めなくてもいい・・・
先生はそう言ってたから・・・

憲吾「そうやな。準備前やな。
でも守は大学絶対って先生言ってたな」

司「守君。成績トップやから」

守「そんなん言いながら司もやからな。
腹立つわ~。その言い方」

それからみんないつもの会話に戻った。

話が落ち着いたので女子にメールをして
女子達も落ち着いたら合流して少し話を
して深夜に僕らは家に帰った。

そして翌日の夜・・・僕は考えていた。











守「大学には私学とか国立とか
色々あると思うんですけど」

先生「できれば国公立。
できなければ私立」

守「卒業目的で?」

先生「そう。現役で合格して
現役で卒業すればいい」

卒業すればどこでもいい。
先生はそう言っていた。

憲吾「いい大学行こうとして
受験失敗して落ちたとして
一浪してでも行くべきですか?」

先生「行きたいのならな。
行きたくないなら現役で合格した
所から選んで卒業すればいい。
いるのはただの大卒学歴。単位は
なるべく落とさないように」

憲吾「選ぶとは?現役で合格
した所から?」

先生「悪い。大学は高校と違って
何校でも受けれるねん」

えーーーーっ。そうなん?
誰もそんな事知らなかった。

先生「ちなみに高校卒業は
卒業証明書だけやけど大学は
就職の時に卒業してとった単位まで
乗せられるからあまり落とさないように」

扱いも違うとわかった。
大学は行った方がいいのだろう。

先生「まぁここまでかな。
ここまでで質問ある人?」

司「はいっ」

先生「じゃあ司」

司「結局大学卒業した方が
色々といいってことですか?」

先生「うん。そう。
大学卒業したからってどうと
でもないのが実際やけど
歩む人生が大きく違う。

深い専門知識学ぶから違うと
言えば違うけど大した事ない。

人生が2回あれば比べれるけど
1回しかないから大学卒業した
人生を歩ませる気しかない」

司「わかりました。
ありがとうございます」

今ので悟った。
本当に大きく違うのだろう。

卒業したからといって実社会
では自慢をできるほどではない。

だけど社会の扱いは違う。
大学を卒業してるかしてないかだけで。

僕は世の中がそんな作りの
社会だとは知らなかった。

仕事ができるできないの方が
大事だとは思う。だけど違う。

納得はできないけどそうらしい。

他にも色々と質問が挙がり先生は
色々と答えていた。

専門学校との違い。
専門学校と大学は全然違って
学歴の価値はない。ほぼ高卒同等。

短大との違い
短大は2年。まだ価値はあるけど
行くなら四大(4年大学)

短大出が争うのは同じ大学卒になる
ので差が生まれてくるから。

夜間大学
夜間は5年。学歴の価値は4年大学
と同じなので夜間は同じ価値がある

先生「っていうところかなー。
まぁ後はお前らの人生やから」

そう・・・僕らの人生だった。
僕らは高校卒業するまでが生徒って
ここで思い出させられた。

先生「早めに知っておけば対策は
できる。知らなければできない。
だから今教えてる。高3になったら
他のみんなよりスタート早く立てる
からある程度決めていってればいい。
そんじゃあ今日は解散。お疲れ様」

全員「ありがとうございましたぁ」

全員先生に挨拶をして学習塾を出た。

先生「ふぅ。疲れた」

??「お疲れ様でした」

先生「あぁ。ありがとう。
ごめんね。塾の教室貸してもらって」

先生は学習塾の教室を借りていた。
塾の経営者と知り合いだった。

??「いえいえ。こちらも勉強なりました。
でもすごいですね。野田さんの講義」

先生「講義?そんな立派やないよ。
現実教えていってるだけやから」

??「大卒の人脈。本当にそうですね。
今度是非うちの学習塾でも今の話を
お願いします」

先生「はいはい。教室借りたもんな。
ちゃんとその分働きますよー」

??「人脈ですよ。私と野田さんの」

先生「はははっ。そうやなー。
そういうことになるんやなー」

そして僕らは外へ出て数人で
ファミレスへ向かって話をしてた。

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